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Bonnieの小部屋

BLオリジナル小説サイトです。芸能界ものをシリーズで連載しています。

ヒーロー(大河&冴島)

★他×大河 【新作追加】

【ヒーロー(大河&冴島)】

<ロケ先にて>
※時期としては、特に指定はありませんが、冴島がPOLYGON加入以降のお話です。お好きな時期に当てはめてください。

POLYGONの地方ロケ中。カメラが止まり、大河・冴島・直希・拓郎の取材組は最初こそ固まってふらふらと街を歩いていたが、大河は通りすがりの店に一瞬気をとられているうちに少しだけ彼らと離れてしまった。
まぁ、はぐれなきゃええやろ、とみんなの背中を見ながら大河が歩いてると、すぐ前を歩いていた冴島が振り返り、遅れている大河に気付いたのか近寄って来る。
……が。
冴島が誰かに急に肩を叩かれて立ち止まった。そこには大きな外人が立っていて、早口で冴島に何かしゃべりかけてきている。外人に話し掛けられた冴島がオロオロとしているのが、ちょっと離れたところからでも大河には分かって。

「な~にしてんねん……」

やれやれと溜息をつきながら、大河は足を早めた。




何となく大河の気配がなくなりつつあることに気付いて、冴島が振り返ったときには既に彼は自分たちからかなり遅れてしまっていた。

「何に気をとられたんやろ…」

呟きながら、冴島は思わず笑みがこぼれる。大河のことだから店のショーウインドウに気をとられて立ち止まったのであろうことは、容易に想像できたのだ。
前を見れば、直希は拓郎やスタッフらと、何やらひとつの話題で大盛り上がりしている。気付いているのは自分だけだと理解した冴島は、内心"チャンス"と思いながら大河の方へと向かって歩き始めた。
すると、突然肩を叩かれて。振り返ればそこには、2mはありそうな、いわゆる、縦も横もデカい外人。ついでに厚みもすごい。そして、ものすごい勢いで喋り出す。早口すぎて、頭は決して悪くない冴島にだってさっぱり分からない。

「あ、あい、あいきゃんとすぴーくいんぐりっ…」
「ΦΩΔΥω~」
「いやだから、あいきゃんとすぴー…」
「×★♪ωΣ…」

英語がしゃべれません、という言葉すら聞いていないのか、外人の弾丸トークは止まらない。何となく聞き取れる単語から推測するに、"君たちは芸能人?"とか、"何の撮影なの?"的なことを訊かれた上で、どこかの場所を訊かれているような気はするが……答え方が分からないし、本当にそんな内容のことを訊かれてるのかも定かじゃない。

―――つーかこの人デカいし、厚いし、めっちゃ怖いんやけど…

よく見れば、Tシャツの半そでから出ている太い腕には、長袖かと疑ってしまうようなタトゥーがびっしりだ。
どうしたらいいのだろう、とオドオドしながら冴島が相手の話を聞いてると……

「おいコラ!」

自分と外人の間に、1人の人物が割り込んできた。

「大河さん!?」
「ミキお前、何してんねん」

大河は冴島に向かって呆れたような、しかし優しい笑顔を見せる。その、いつもの見慣れた笑顔を見たら、冴島もホッとして笑顔が出た。
すると大河が、いきなり恐い顔をして外人のほうを向いて、数段高い位置にある彼を見上げた途端、

「何やジブン。英語わからん言うとるやろがっ。日本語喋られへんのに何早口で一方的に話しとんねんっ。ウチのミキに何の用やっ!ナンパやったら許さんぞっ!!」

日本語で勢いよくそう喋りかける。
冴島も外人も呆気にとられ、一瞬その場が固まった。しかし大河の剣幕である程度伝わったのか、外人は「Sorry」と謝ると、手にしていた地図を開いて何かを大河に訊ねる。すると大河がすぐに理解して、

「ああ、それならそこ真っすぐ行ったらええわ。ゴー・ストレート!それから、そこの店行ってもスピーク・スローリーやで!OK?」

と、外人が訊いてきたらしき店を教えつつ、ゆっくり話せと忠告を与えてやる。呆気に取られながらも外人は「Thanks!」と答えると冴島にもう一度謝りを入れてから、大河に示されたとおり、冴島たちとは逆の進行方向へと歩いて行った。

「ウェルカム&エンジョイ・ジャパンや兄ちゃん!」

彼らしい言葉と共に彼に手を振ってしっかり見送ってから、大河は冴島に向き直ると、

「大丈夫かぁ?」

間延びした、呑気な声で首を傾げる。そこにあるのは、いつもの大河の呑気そうな笑顔。しかしとても頼りがいのある姿と声だと、冴島は思った。

「ありがとう大河さん。俺、思いっきり相手の空気に呑まれてたわ」
「ミキはビビリやからなぁ」
「ひどいなぁ。まぁええわ、今日は言われても仕方ないし。行こう?」
「あはは、認めた」

笑う大河に冴島もまた笑い返す。
すると、次の瞬間、

「うわぁぁっ」

突然大河が、そんな声をあげて冴島にしがみついた。
大河の視線に顔を向けた冴島が見たのは、大河のすぐ横をフワフワ飛ぶ蜂1匹。

「ヤバい、めっちゃ怖いっ」

そんなのよりあの外人の方がよっぽど怖かったんですけど、と冴島は思ったが。そういえばこの人もなかなかのビビリだった……ということを思い出せば、ビクビクと肩を震わせるこのヒーローが今度は可愛くて仕方なくなってきて。

「こっちおいで大河さん。俺に隠れとき」

そう言いながら立ち位置を変わってやり、華奢な大河の体を庇うようにして歩き出す。
直希にこの姿が見つかるのは時間の問題。だからその貴重な時間を、冴島は更に彼に密着することで堪能した。

■■■
せっかくカッコよかったのに最後の最後で残念な大河と、今回は美味しいところをしっかりと頂いた冴島のお話でした。
直希、背後でこんだけ大騒ぎしているのに気付かないということは、大河の自慢話で盛り上がってたのかな?

次のSSは春海と栗原です。
1/31(金)6時にアップ予定です。

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