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【  2019年02月  】 

女は災い 1-4

1:晴天の霹靂

2019.02.01 (Fri)

「―――美香…」搾り出すように出された大河の声が、千田の耳にはまるで、大声のように聞こえるほどの衝撃で。「いやあぁ~~、相変わらず美白~細い~」「お前、何しに来たんや」「何しにって、舞台観に来たんじゃない。当たり前でしょ?」「は?何やその言い方」大河の顔がみるみる険しくなり、千田の顔からみるみる血の気が引いていく。その様子に気付いた誠がさりげなく千田の前に立ち、彼の視界から彼女を消した。「先行こうか、...

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女は災い 2-1

2:例外

2019.02.03 (Sun)

【2:例外】夜の部となった千田たち"SQUARE&誠"チームの舞台も、大きな拍手が沸き起こるほどの出来栄えだった。車は事務所に置いてきたたため、すっかり暗くなった劇場から、出演者とマネージャー全員で移動車に乗り込む。移動車の中で、千田はぼんやりと頬杖をついていた。視線こそ窓の外に向いていたが、実際の彼には何も見えていない。元恋人だと…元婚約者だと、言っていた。そんな拓郎の発言に、大河は"婚約者"の部分は否定...

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女は災い 2-2

2:例外

2019.02.03 (Sun)

何度コールしても繋がらない電話に、陸は溜め息をついた。ハンドルに突っ伏して、ただただ、昼間の一件を悔やむばかり。悔やんでいるのは、昼間の自分に対してか、それとも過去の自分に対してか……ピコン♪一方的に呼び出し続けるだけだったスマホが着信を告げ、陸はガバッと顔を上げた。慌てて画面を確認すれば、メッセージの着信。『今は移動中だから、ホテルに帰ったら折り返す』千田だった。それだけで、ホッと安堵の溜め息が漏...

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女は災い 2-3

2:例外

2019.02.04 (Mon)

「んやねんっアイツ!!」電話の向こうでひたすら激怒する大河を、直希は困り果てて見つめていた。兄を家に呼び出したものの連絡が来ない!と大河から電話が来たのは2時間前。大河が陸を呼び出すために自分はマンションに帰らされていたが、いつになくイライラしている大河が心配になって、陸が来るまででも傍に居てやろうと彼のマンションに訪れていた。確かに連絡ひとつよこさない陸に直希もイラだっていた矢先に電話が来て、出...

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女は災い 2-4

2:例外

2019.02.05 (Tue)

午前0時。部屋を出た千田は、ロビーに着いた。ビジネスホテル特有の淡白さで当たり前のように「行ってらっしゃいませ」と見送ってくれるフロントに軽く会釈して、ホテルを出る。真冬の都会は冷たい風が吹き、思わずマフラーを口元まで持っていく。故郷の青森を離れてもうすぐ6年、すっかり寒さに弱くなってしまったものだ。『…いま出たんだけど、公園てどこかな?』電話をくれと言われたのに、何となく声を聞くことが憚られて。...

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女は災い 2-5

2:例外

2019.02.06 (Wed)

「バカにしてんの?」それは、千田とは思えない、怒りを含んだ…怒りしか存在しない声音だった。陸がハッとして、言葉を止めるほど。「恋人同士で、婚約してて、でも深い付き合いじゃないなんて…俺がそれを信じるとでも?だとしたら、バカにしすぎだ」「有…」「彼女のプライバシーだなんて、どんな言い訳だ。苦しすぎるよ」明らかに苛立った口調は、千田の表情にも表れていた。そしてそのどれもが、正論だった。「俺は陸の過去を責...

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『女は災い』第1&2章アップ完了

あとがき

2019.02.06 (Wed)

年明け早々、出だしの悪いカップルです。陸、タチ悪いっつうか、優柔不断ですね。千田の誕生日直後に何してんの、まったく。1周年も近いってのに。最後の千田の物言いが、私が書きたい千田のキャラそのもの。普段は優しくてお人よしで控えめだけど、言うときはハッキリ言ってやる!みたいな。大河とはまた違ったタイプの、白黒はっきりした性格なんです。さて。ケンカ(?)しちゃった2人ですが、陸はちゃんと挽回できるでしょうか...

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女は災い 3-1

3:守るべきもの

2019.02.08 (Fri)

【3:守るべきもの】1月7日。土曜日。両チーム、公演2回目。楽屋で、千田は荷物を整理しながら、背後で聞こえる幸田と鹿野の会話を聞いていた。直前に行われていた、幸田流に言うと"ラギ廉"チームの公演。どうやら今日も、大盛況だったようだ。「この前の初回とは少し変えたとこもあるらしくて、そこがめっちゃハマったらしいね」「へぇ~」「そんで今日も、全員残ってるっぽい」「今日も全員で俺らの舞台観るってこと?」「そ...

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女は災い 3-2

3:守るべきもの

2019.02.09 (Sat)

「兄貴っ!」夜の部の公演に備えて、軽い食事を終えた陸が楽屋に顔を出そうと歩いていると、先に向かっていたはずの大河が血相を変えて駆けよってきた。「大河?店に忘れ物したか?」「アホッ違うわっ。何を呑気なことを!」陸の腕を掴んだ大河は、怖いくらいに緊迫した顔をしている。「アイツが―――!」「?」「美香が!チダちゃんと話してる!!」その瞬間、陸は走り出していた。「こないだの通路の近くや!」そう言いながら、大...

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女は災い 3-3

3:守るべきもの

2019.02.10 (Sun)

静かな怒りを湛えた表情の千田は、固まる大河と陸には目もくれず、真っ直ぐ美香を見つめる。「あなたは、記者さんなんですよね?しかも有名雑誌の」「え?ええ」「ならば、ステージ前の演者がどういう精神状態か、分かりますよね?」「……え?」「僕は、1時間半後に舞台本番なんです。この3回の公演のために、僕たちは数か月稽古に励んできました。それをぶつけようっていう気持ちでいること、何とかして落ち着こうとしていること...

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女は災い 3-4

3:守るべきもの

2019.02.11 (Mon)

そんな兄の姿に、さすがの大河も絶句するだけだった。いつものように多数のボキャブラリーで罵倒してやろうとしたが、吐き出そうとしていた言葉は、どこへ向かうでもなく喉奥へ沈んでいく。「私のプライバシーって、何?」不意に、美香が口を開いた。突拍子も無い声は、大河の勘に触るだけで。無言で、彼女を睨みつける。しかし美香は一切怯まず、陸に顔を向けた。「どういうことよ、私のプライバシーって…。だいたい、あの子はど...

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女は災い 4-1

4:彼の決断

2019.02.13 (Wed)

【4:彼の決断】千田たちの公演も、やはり大成功だった。観客席は大きく湧き、千田も笑顔で仲間たちとそれに応える。苦しい稽古や追い詰められた精神状態が全て結果として出る瞬間。舞台は、ここが気持ちいい。だからこの時間だけは、千田は何もかも忘れて芝居に精神を注ぎ込むことができたのだ。「千田って、すごいね」観覧席から大河と隣り合って観ていた直希が、ボソリと呟く。「俺だったら自信ないな」大河から簡潔に事情を聞...

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女は災い 4-2

4:彼の決断

2019.02.13 (Wed)

ステージと同じ階にある、楽屋前。大河は足取りが重いまま、扉の横に立って壁に寄りかかっていた。出入り口は仲間やスタッフが入れ替わり立ち代りで出入りしているので、2人で話すことはできないだろうと思ったのだ。それに、大成功を収めた楽屋内は賑わっていて、幸田のテンションの高い声も聞こえている。彼に見つかれば、話なんてできない。大きく深呼吸して、壁から背を離した大河は、ピョコッと顔を覗かせる。入口付近には、...

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女は災い 4-3

4:彼の決断

2019.02.14 (Thu)

駐車場で陸は、不審感たっぷりの顔で直希に引き留められていた。早く帰って連絡したい相手がいるというのに、直希が"待て"をかけているため、待ち状態になっている。「何してんねん。何でお前が俺に"待て"かけとんねん」「でもちゃんと待ってくれてるじゃないすか。もーちょっとだけ待ってくださいって」陸の腕を掴みながら、直希はそれだけを言い続ける。大河から待てと言われたことだけは告げたものの、それが千田絡みというのは...

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女は災い 4-4

4:彼の決断

2019.02.15 (Fri)

大河のマンションに向かって車を走らせながら、直希はチラリと助手席の大河を窺った。自分は知っている。あのとき、大河は笑っていなかった。駐車場に現れてから終始笑顔だった大河だが、陸に背を向け自分の腕を引いてきた瞬間に見えたその横顔は、くすりとも笑っていなかったのだ。実と廉にも振り返ることはせずに手だけ振って助手席に乗り込んだ大河は、それからずっと俯いて黙り込んだままだ。千田に頼まれごとをしていると、嫌...

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女は災い 5-1

5:眠れぬ夜

2019.02.16 (Sat)

【5:眠れぬ夜】直希が運転している間も、大河は黙ってスマホを眺めていた。そこには、千田からのメッセージがあった。『これからも仲良くしてくれますか?』「……当たり前やん、アホか」そもそも、千田と親しくなったのは自分が先なのだ。それに……「直希、あのな?」「ん?」大河はスマホをしまい、窓を眺めて、「チダちゃんな、兄貴と知り合う前から、いっつも兄貴のこと気にかけてたんやで」当時を思い出すように、少し微笑む。...

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女は災い 5-2

5:眠れぬ夜

2019.02.17 (Sun)

直希のマンションに着くと、大河はグイグイと腕を引かれて部屋へと連行された。「な、直希…何やねん」無言の直希に戸惑いながら抗議するものの、取り合ってくれず。玄関に入った瞬間、廊下に放り込まれるように押し込められる。「直…」「あのねぇ…」溜め息混じりに呆れ顔をされて。しかし大河いは彼を怒らせる原因に思い当たる節がないから、困惑しながら見上げるしかできない。「俺を怒らせてどうしたいの?」そのまま壁に追い詰...

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女は災い 5-3 ※微R-18

5:眠れぬ夜

2019.02.18 (Mon)

*こちらは軽くはありますがR-18ページです。*ご理解ある方のみお進み下さい。「……ん…」空気を全部奪われるようなキスに、大河は体に力が入らなくなってきて無意識に直希の腕を掴んだ。しかしそんなことはおかまいなしとばかりに、直希のキスは大河を逃がそうとはしない。やがて、その手が妖しく体を撫で回し始めて。インナーの中に冷たい手が入り込んでくる。性急に煽られていく体に、大河は頭が追い付かなくて。降りてきた直希...

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女は災い 5-4 ※微R-18

5:眠れぬ夜

2019.02.19 (Tue)

*こちらは軽くはありますがR-18ページです。*ご理解ある方のみお進み下さい。ホテルのベッドに寝転がって、千田は、終わった恋をぼんやり思った。一見冷静に見られがちな陸だが、それは仕事上や表面上の彼で。実際は表情の変化はめまぐるしく、見ていて飽きなかった。大河相手にムキになったり、時折見せるそんな子供のような一面も、愛しくて。そもそも彼のどの一片をとっても、その全てが千田には愛おしかった。それは、今でも...

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『女は災い』第3~5章アップ完了

あとがき

2019.02.19 (Tue)

ヤバい、別れちった…結局最後まで優柔不断だった陸。手痛い罰を受けちゃいました。こう見ると、精神的に大人なのは圧倒的に千田なんですね、きっと。お子ちゃまな陸くん(33歳)は、ようやく間違いに気付いたようですが、ここから成長できるかな?そんな最悪な状況を迎えている陸×千田カップルの対照的存在として、直希×大河カップルも絡めてみました。こちらは直希がすくすくと成長を遂げつつあるのでw、関係が安定してきてますね...

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女は災い 6-1

6:見守る瞳

2019.02.22 (Fri)

【6:見守る瞳】1月13日。土曜日両チーム、最終公演日。「よし。泣いても笑っても今日で終わりだぞっ!!」分かりきったことを言って気合十分なのは、相変わらずの幸田だ。劇場に着いてから、ずっとこれである。「アキさ~ん、空回りだけはしないでよ?」呆れたように苦笑いをする幸樹に背中を叩かれ、鹿野には「衣装が乱れるよ」と冷静にツッコまれている。誠にいたっては、すでに聞いていないフリを決め込んでいるようだ。そ...

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女は災い 6-2

6:見守る瞳

2019.02.23 (Sat)

舞台は、今日も観客の心を掴みながら進んでいた。しかし、「おかしいな、何か…」ステージを眺めながら、大河がボソリと呟く。その声に直希はチラリと彼を見遣り、「うん。何かおかしいよね」同じ様に、大河にだけ聞こえる声で答えた。それは決して、誰かがミスをしているとか段取りを忘れているとかではなく。序盤で一度だけ狂った歯車を、そのまま引きずっているように思えた。誰が作り出したわけでもないそのズレが、全員の焦り...

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女は災い 7-1

7:一縷の望み

2019.02.24 (Sun)

【7:一縷の望み】「おつかれさ~~ん!!」大河のマンションでは、彼の宣言どおり新年会が始まった。直希と後藤に加え、大河が声をかけた幸田・千田・誠の3人も揃って、総勢6名の男たちが、リビングのローテーブルを囲んでグラスを合わせる。「いやぁ、今日は前半失敗しちゃったなぁ~」ビールをグビッと飲んだ幸田が、しみじみとそう言いながら、「まあでも、千田がケガしなくてよかったよかった」向かいの千田の頭を撫で、「...

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女は災い 7-2

7:一縷の望み

2019.02.25 (Mon)

後藤と千田のやりとりを、大河はぼんやりと眺める。数日前に直希と考えた"作戦"に、最初は奮起していた。そもそも、大河が幸田と幸樹と誠を招集したのだって、千田をおびきよせるためだ。ここ数日の一件を知る人間は、運よく千田の出演するチームメンバー全員。全員が来るとなれば(鹿野は風邪気味のため欠席だが)、千田は絶対断れない。たとえ断ってきたとして、幸田の強引な誘いがあれば、その誘いに弱い千田は間違いなく来るだろ...

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女は災い 7-3

7:一縷の望み

2019.02.26 (Tue)

「チダちゃん、大丈夫か?」テーブルに突っ伏した千田を、大河が覗き込むように声をかけた。あれからもペースは揺るむことのなかった千田は、さすがに潰れたのだ。ちなみに、そのペースに付き合った幸樹と幸田も半分潰れかけ、部屋の隅で転がっている。2人はこの部屋に泊まり決定だろう。「俺なら大丈夫すよ~~~」えへへ、と笑う千田だが、「かわいいだけだからやめなさい」大河が後藤の視界から遮るように千田をガードして、水...

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女は災い 7-4

7:一縷の望み

2019.02.27 (Wed)

「あのさ、千田、ちょっと…」慌てて誠が止めようとしたが、時すでに遅く。「人を好きになって、思いが通じれば、俺だって自分が主役だと思いますよ、もちろん」現れた人物が、誠と千田の間に割って入り、片膝を立ててしゃがんだ。それでも千田は気付くわけもなく。直希も誠も、もう止められなかった。「でも結局は、結果的には、脇役で終わるんです」「脇役……?」その人物が、静かに声を出した。しかしやっぱり、千田は気付かない...

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『女は災い』第6&7章アップ完了

あとがき

2019.02.27 (Wed)

新キャラが久々に登場。アイプロ所属タレントでピン芸人の後藤祐太。彼は今回だけの登場予定ではありますが、なかなか気に入ってしまったのでもしかしたらまた出すかもしれません。ということで、登場人物に追加しておきます。POLYGONのレギュラー番組は、彼らがどんどん人気者になってしまっているので、それぞれの仕事に専念ということで番組終了なんて展開も考えてますが、ていうかPOLYGONの活動自体いつまでやらせるか考え中で...

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