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【  2019年07月  】 

最愛2 4-1

4:声

2019.07.02 (Tue)

【4:声】『絶対だよ』念を押すように言ってきた強い口調と、明るい笑顔。それが、自分の周りで自棄に鳴り響いて。『置いてけぼりは禁止だからね』あれは、もうずいぶん前の彼だろうか。そんなことを考えていれば、『俺を置いてくなって…』同じ声が、今度は酷く悲しそうな響きで胸を打つ。そうだ。嘘つきになってはいけない。自分は、嘘つきと魚卵と雷が大嫌いなのだ。帰らないと―――...

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最愛2 4-2

4:声

2019.07.02 (Tue)

―――……帰らないと、と思ったと同時に、パタリとその声が止んで。代わりに自分の耳に入ったのは、無機質な機械音。瞼が重たくて、でも今までの暗闇とは違う明るさを感じて。そっと目を開けて見えたのは……―――あ…白い天井。ここ数日、何度も見ていたそれ。―――生きてるん…か?天井は同じようで違う気もして、ただそれだけを思った。意識が混濁して、目を瞑る前のことはよく覚えていない。ただ、たくさんの人が自分の名を呼び、そしてそ...

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最愛2 4-3

4:声

2019.07.03 (Wed)

大河が目覚めてすぐ、陸が看護師を呼び、ほどなくして黒崎が現れた。黒崎の診察を受けている間に大河の意識も若干はっきりとしてきたのか、問いかけに頷いたり首を横に振ったり、多少の言葉なら返すこともできるようになって。「大河さん、どっか痛いとこある?」「…ありません」「息苦しさは、どうかな?」「少し…だけ」「良くはなってる、って感じかな?」「はい…だいぶ楽です」「そっかそっか」いくつか確認をしていた黒崎が、...

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最愛2 4-4

4:声

2019.07.04 (Thu)

朝を迎えると、実と拓郎が現れた。まだ楽観視はできない状態とはいえ一番の山場を乗り越えたことを知った2人は、ようやく目を開いて自分たちを見てくれる大河を目にした瞬間、声を震わせて『よかった』と脱力した。「陸さんからあんな時間に連絡来てさ、本気で心臓縮むかと思ったよ。そしたら"意識が戻った"って……お前、どんなタイミングで目ぇ覚ましてんだよ。ったく」どこまでズレた男なのだと、拓郎が情けない笑顔で悪態を吐き...

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最愛2 4-5

4:声

2019.07.04 (Thu)

翌日。「じゃあ、いろいろ頼むね」病院のロビーまで見送りに来た直希に、海斗がそう言った。陸は大河に付き添い、千田は今日は仕事で来ていない。「本来ならもう少し居てやりたいところやけど、いったん帰るわ」大河の順調な回復を見届けた海斗は、仕事のために奈良に帰ることになったのだ。「また週末来るって、大河に言うといてくれるか?」「分かりました。きっと週末になる頃には、さらに落ち着いてると思いますし」黒崎の話で...

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『最愛2』第4章アップ完了

あとがき

2019.07.04 (Thu)

ようやくいつものムードが帰ってきました。直希も強気を取り戻したし、千田もさっそくアクセル全開。3章では大人しくなっちゃってた安藤パパも元気いっぱいで帰っていきましたね。大河が目を覚ます直前に聞いた直希の声は、『君と見る空』というお話に出てきたセリフたちです。知り合って間もない頃に2人が交わした約束ですね。それを今回大河は思い出した、ってことです。嘘つきと魚卵と…っていうのも、あのお話で大河が言って...

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最愛2 5-1

5:たしかな光

2019.07.07 (Sun)

【5:たしかな光】黒崎の予想どおり、大河は木曜日の午後に一般病棟の個室に戻った。呼吸も安定し、心機能は順調な回復を見せ、貧血状態の改善も見られている。仲間の見舞いも絶えることは無く、おかげで他の患者の見舞い者による目撃情報が多発し大河の入院は世間にも知られてしまったが、しばらく休むことを考えればさまざまな憶測が飛び交うよりしっかり事実を知っていてもらうべきだと判断した事務所により、これまでの経緯は...

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最愛2 5-2

5:たしかな光

2019.07.07 (Sun)

最愛2 5-2この黒崎という医師は、大河の主治医になってからずっと、こうして軽い口調で緊張感や恐怖感を和らげてくれていた。だからといって事実をひた隠しにすることもなく、正直に話してくれる。そのうえで、どんなに差し迫った状態でも、飄々とした笑顔で落ち着いて対応し、バックアップをしてくれていた。だからこそ大河もこの医師を信じ、その信頼関係が治療にも大きく影響したと思っている。「先生、俺ね、この病気になって...

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最愛2 5-3

5:たしかな光

2019.07.08 (Mon)

さらに1週間後。『今日は良い天気ね。日向ぼっこでもしてきたら?』そんな看護師長の勧めもあって、直希は大河を、入院以来初めて外に連れ出した。もちろん病院の敷地内のみで、大河は車椅子が大前提だが。「気持ちいいねぇ。東京とは思えないよな」「ホンマやなぁ」良く晴れた青空を仰ぎなから、2人でのんびりと過ごす午後。こんなに穏やかな時間は久しぶりのせいか、揺れる木々の動きさえ、思わず見入ってしまう。だいぶ回復を...

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『最愛2』第5章アップ完了

あとがき

2019.07.08 (Mon)

新キャラの黒崎先生、初登場にしてキャラが濃いですが、次の登場予定は不明です。医者ですからねぇ、なかなか出し辛いです。実や陸とキャラかぶってるし。黒崎先生のキャラがなぜここまで濃いかというと、病院ものシリーズを書いていた際、彼が主人公でした。内科部長の原田先生という人が、その作品では黒崎先生のお相手。でもこちらの世界では、2人は戦友同士のような関係です。そしてどちらも既婚&嫁とラブラブ。そしてもっと...

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最愛2 Epilogue

Epilogue~雲外蒼天~

2019.07.09 (Tue)

【Epilogue~雲外蒼天~】5月下旬。「じゃあ、予定通り退院しましょう」朝の回診で問題なしと判断した黒崎が、優しい笑顔を見せてそう言った。その瞬間、大河や直希、陸は同時に笑顔で「ありがとうございます」と頭を下げた。「ただ、3日間は絶対安静です。トイレと風呂以外は家の事もやらない、リハビリがてら動くなら、15分以内の散歩を多くても1日1回程度で、必ず付き添いをつけること。お風呂は来週の通院日までシャワーだ...

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『最愛2』完結しました&次回作予告

あとがき

2019.07.09 (Tue)

『最愛』『最愛2』あわせて、当ブログ最長編となりました。お付き合いありがとうございましたっっエピローグラストで大河が言っていましたが、チダちゃんが直希を名前で呼び出したタイミング、お気付きですか?気付かなかった方、『3:ゲリラ豪雨』を読み直してみてください。ヒントは、後半の、海斗パパとの食堂での会話シーンです。さて。ようやくお話が完結しまして、明るい彼らが戻ってきました。ホント、一時はどうなること...

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Old flame~はじめに~

Old flame(実×大)について

2019.07.16 (Tue)

※このお話はアナザーストーリーとなります。登場人物も世界観も同じですが、お話はメインとは独立しております。実×大河。時期としては、実大カップル前作となる『不本意の愛嬌』から少し経った、バレンタイン前後あたりのつもりです。メインの世界での時期設定に当てはめると、全回のお話『最愛2』の2~3か月ぐらい前(『最愛』のちょい前)あたりですね。実が、ある人(男性)と過去に何やら親密だったらしい、という噂を耳にして...

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Old flame Prologue

Prologue

2019.07.16 (Tue)

【Prologue】恋は、終わらせ方が大事だ。強引に消してしまった恋は、火種がどこかに残ってしまう。そんな過去の恋は、再び出逢ってしまった瞬間、再び火がつく可能性があるのだ。自分が知らない過去。そこにこだわるべきではないと頭では分かっていても……"過去"と再会した恋人の時計が、再び動く可能性はゼロではなく。過去に負けるのは、自分なのか相手なのか。いずれにしろ、どちらかが負けた瞬間に、この恋は今度こそ終わるのだ...

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Old flame 1-1

1:実の噂

2019.07.16 (Tue)

【1:実の噂】2月5日。日曜日。アイプロ会議室。「あ~、もうこんな時間かぁ~」会議を終えて荷物をまとめながら、拓郎が時計を見上げてそう声を漏らした。バンドの新作アルバムのレコーディングも先日終了し、PR活動に関する打ち合わせと共に、今年はRAGING THIRST正式結成10周年ということでイベントをやろうという話で盛り上がり、終わってみればすっかり遅い時間になっていた。「結局いまいち決まらなかったしな。明日こそ...

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Old flame 1-2

1:実の噂

2019.07.17 (Wed)

「直希?どうしたん?」3人を見て慌てたように駆け寄ってきた彼に大河が首を傾げながら訊ねると、直希は一瞬目を泳がせてから、あっと思いついたように自販機に顔を向けた。「俺、えっと…コーヒーやっぱやめるって言おうと思って」「は?」「これ!これがいい!!」適当に、自分がいつも飲んでいるペットボトルを指差す。「アホ。500円しかないんやぞ?お前がペットボトル買ったら俺のお菓子が…」「そもそも2つは無理だって。て...

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Old flame 1-3

1:実の噂

2019.07.18 (Thu)

大河は、腕を引いたまま足早に戻ろうとする直希に文句を言い続けていた。すると、会議室に戻ったところで、腕を解放されるとともに直希に肩を軽く叩かれて。「ダメだって大河!何してんだよっ」「え?ああ、あとでちゃんと返…」「金の話じゃないっての」空気呼めとばかりに責められても、大河にとっては全く意味がわからない。「実と風見さんだよ」「は?」「いやだから……って、あれ?大河、知らねぇの?」一切ピンときていない大...

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Old flame 1-4

1:実の噂

2019.07.19 (Fri)

自宅に戻った大河は、リビングのソファにうつ伏せに寝転がったまま、スマホを片手に考え込んでいた。「ん~~、どうしよ…」気になったことはすぐに言え、と、実に言われている。だから、風見とのことを訊きたいのだが。「いや、俺は実を信じとるっ」スマホを降ろして、目を逸らす。しかし、またチロリと目をやって。「似合っとったなぁ……」どう転んでも、自分よりも風見の方が、実との並びが美しかった。そもそも風見は、自分や実...

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Old flame 1-5

1:実の噂

2019.07.20 (Sat)

実は、自宅に帰ってから数時間後、電話をかけていた。「あ、さっきはどうも」『ああ、お疲れ』「涼太さん今大丈夫?」『うん。さっき帰ってきたとこ』相手は風見だ。「あ、それで…」『ああ、そうそう。いいじゃん。別にさ、大したことじゃないだろ?』「まあ、そうやけど」『楽しみにしてるから、ね?』子供のように楽しげな風見の声は、どこか強引さも秘めていて。4つという歳の差を抜きにして、実が断れないことを知っているか...

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『Old flame』第1章アップ完了

あとがき

2019.07.20 (Sat)

はじまりました、実×大河続編。実のお相手(?)は、メインでは大河がエスコートしたこともある風見先輩(直×大『Stranger』参照)。その後もちょいちょい登場してきていた、涼太さんということになりました。こちらではなかなか意味深なセリフを吐いちゃってる涼太さん。しかも、何やら実に催促してるご様子。大河の名前も出して、一体何のつもりなんでしょうか。このカップルにとって唯一の味方である陸兄ちゃんは何の役にも立ってね...

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Old flame 2-1

2:実の告白

2019.07.23 (Tue)

【2:実の告白】翌日。月曜日。「いやぁ、仕事したぁ!!」昨日と打って変わって議題が全て片付いた会議室で、拓郎がグッと伸びをしながら叫んだ。さっそく、飲んで帰ろうと自分のマネージャーを誘い出した彼を笑いながら帰り支度をしていた大河は、今日も車で送る予定の直希を探して廊下に出た。「どこ行ったんや、あいつ…」「お、大河っ」声をかけられて振り向けば、「あ、涼太さん…」「お疲れ」今日も事務所に寄っていたらしき...

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Old flame 2-2

2:実の告白

2019.07.24 (Wed)

「で、どうしたん?」実に連れてこられたのは、昨日と同じ喫茶コーナー。エレベーターとは反対側の端にあるこのコーナーは、そこそこ遅い時間の今あたりはまず誰も来ない。イスに座らされた大河は、隣に座った実からカフェオレを受け取ると、なんだか気まずくて俯いた。「俺、お前に言ったよな?何でも言えって」「うん…」「さっき、何で逃げようとしたんや」「逃げようとなんて…」「したやろ」誤魔化せると思うな、と、その口調が...

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Old flame 2-3

2:実の告白

2019.07.25 (Thu)

「は?!」肩に置かれた手を思わず大河が振り払うと、「だから、聞けって」再び肩に手を戻した実に、ついでに頭をポコンと叩かれた。「言われたけど断ったわ。しかも、だいぶ前の話やって」「だいぶって…いつやっ」「もう3年ぐらい…いや5年かな、どうやったやろ。とりあえず、だいぶ前。いまいち覚えてへん」「とりあえずって何やっ。覚えてへんて、そこは大体でも覚えとけやっ。勇気持って告白してきた涼太さんに敬意もないんか...

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Old flame 2-4

2:実の告白

2019.07.26 (Fri)

「木曜日なんやけど、大河、夜ヒマか?」「木曜?は……番組収録の後は、特に、用は無いけど」「涼太さんが、3人で一緒にメシ食おうって」「え、別にええけど…何で?」風見に誘われることは珍しいことではないが、彼が誘ってくるのは一緒の仕事の後であったり、偶然事務所や現場でばったり会ったときがほとんどで。敢えて日を改めてまでしてセッティングしようとしてくるなんて、大河には不思議だった。しかも、自分と実2人を、だ...

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Old flame 2-5

2:実の告白

2019.07.27 (Sat)

すると実も、今度は素直に引き下がったようで。「そうか」小さく頷いた後に、視線を落とす。それから、「わかった」大河の頭を、軽く撫でて。「確かに久しぶりやし、ゆっくり話すのもええかもわからん」頬に、手を伸ばして。「ただ、これだけは覚えておいてな?」身を寄せて、キス。それは少しだけ強引で、大河は思わず実の腕を掴んだ。唇を離して至近距離で見つめてきた実が、「俺がお前の立場やったら、許さんから」冗談を装いつ...

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Old flame 2-6

2:実の告白

2019.07.27 (Sat)

陸は、自宅のリビングでビールを飲みながら、ふと帰り間際の会議室で見かけた光景を思い出していた。実に連れ出される大河。何となく気になってそれを眺めていると、そんな2人をポカンと眺めている風見がいて。その後彼は……フッと微笑んで、視線を外した。そして陸に気づいて陸にも笑顔で軽く手を上げると、風見はあっさりと去って行った。あの笑顔に、邪気や他意は無さそうで。元々風見という人間は裏表のない性格だから、単純に...

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『Old flame』第2章アップ完了

あとがき

2019.07.27 (Sat)

風見先輩の意味深発言は、ただのお食事のお誘いでした。お人よしの大河は、実と風見が2人きりで会うことを容認しちゃってますねぇ。ホント、強がりさん。そして結局何の役にも立たなかった陸兄ちゃん、どうやら何か心配事項ができてしまったようです。そう。このお話、実と風見はただのジャブです。こっから本番です。ということで今回は、このカップルでは最長編となると思います。ああでも、元気な大河を書いていたら、メインの...

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Old flame 3-1

3:大河の噂

2019.07.31 (Wed)

【3:大河の噂】2月9日。木曜日。都内某所。「なに断られてるんだよ~」居酒屋のカウンターで、風見は不服そうに口を尖らせた。「先約があるって言うんやから仕方ないでしょ」実はありきたりな理由をつけて苦笑いをしながら、ビールを注ぎ足す。「ていうか俺、実に超警戒されてる?」カウンターのテーブルをコンッと叩く風見は、やっぱり鋭くて。敵わないな、と実はまた笑った。「念の為ですよ」「は?」「涼太さんとは、ええ友...

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