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【  2020年04月  】 

PERFECT BLUE 02-05

1幕-2:美しい棘

2020.04.01 (Wed)

「次、11番。真鍋裕巳」「………」返事がない。それにこの名前、彼もDOQだ。DOQは席がかたまっているという丸岡の言葉を思い出し、諏訪はすっと、真ん中の最後尾に視線を向けた。そこには、やはり先ほどから話に入ってきていない顔がいた。真っ黄色の髪に、青のフードつきトレーナー。目鼻立ちのハッキリとした顔立ちは、いかにも面白く無さそうに憮然としている。諏訪が記憶している資料内容によれば、彼も留年組の1人。留年...

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PERFECT BLUE 02-06

1幕-2:美しい棘

2020.04.02 (Thu)

「………」まるで消えるかのように教室から居なくなった皆藤を、不思議な気持ちで諏訪が眺めていると、「先生」不意に近くで呼ばれて、はっと我に返った。「え?あ、……えっと、浜島だよな?」「はい」浜島はコクンと頷くと、一枚の紙を差し出してくる。「ん?」「これ、ウチのクラスの席表です。去年からずっとこの席順やし、多分今年もこのままずっといくと思うんで」浜島は、人懐っこい、親しみある笑顔でそれを諏訪に渡す。諏訪も...

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PERFECT BLUE 02-07

1幕-2:美しい棘

2020.04.05 (Sun)

[2]皆藤は、屋上に居た。屋上で、プカプカと煙草を吸っていた。腕時計に目をやると、すでに1時間半が経っている。始業式はとっくに終わっている時間だろう。今日は授業もないし、クラスではホームルームが始まっているはずだ。クラスによっては下校になっているかもしれない。自分のクラスは終わっているだろうか。すでに殆ど読み終わっていた本は、20分以上前にラストを迎えてしまった。ホームルーム中に教室に帰るのだけはゴメ...

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PERFECT BLUE 02-08

1幕-2:美しい棘

2020.04.06 (Mon)

宇賀は、結局保健室までついて来た。ドアを開けようとした皆藤は、まだニコニコと傍に居る宇賀に睨みをきかす。「お前、どっか行けよ。俺これから寝たいんだよ」「いいじゃん。寝るまで子守唄でも歌おうか?」「宇賀」「アハッ、冗談冗談。怒らないでよ智司」陽気な笑顔で、宇賀は楽しそうに笑う。皆藤は大きなため息をついて、髪を掻いた。「じゃー、智司」笑顔のまま小首を傾げて見つめてきた宇賀の瞳には、少しだけ意地悪な色が...

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PERFECT BLUE 02-09

1幕-2:美しい棘

2020.04.07 (Tue)

そんな、嘘偽りのない言葉は、目の前への木下へと真っすぐ飛んでいき……「嫌なことでも、縁ってあるのか?」木下が、少し寂し気にそう口を開いた。「嫌なこと?」「そう。大抵の教師はさ、最初っから俺たちのこと嫌って、恐がって、避けるんだ。何も知らないくせにビビって嫌って、変に関わりあって面倒なことにならないようにしたいって感じで距離置いてくる。……ああでも、くっしーとマチルダは違うかな」木下の口から、串崎と町田...

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PERFECT BLUE 02-10

1幕-2:美しい棘

2020.04.08 (Wed)

残された諏訪は、ひとり混乱していた。新たな登場人物、宇賀。確か、彼は串崎のクラスの生徒だ。始業式で串崎が『あの生徒会長ね、俺のクラスの生徒なのよ~』と自慢していたのだから間違いない。すると、廊下で木下が誰かと会話をしている声が聞こえた。相手はどうやら、タイムリーにも串崎らしい。間もなく、ドアが開いて串崎が入って来た。「あ、諏訪。やっほ」「あ、ども」「どう?初日の感想は。なんか、さっそく木下たちのこ...

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PERFECT BLUE 02-11

1幕-2:美しい棘

2020.04.09 (Thu)

ガラッ。皆藤が教室のドアを開くと、視界に人影が入った。何気なく目をやり、それが諏訪だと気付く。「どこ行ってたんだ」教卓の椅子に座っていた諏訪が、立ち上がって近付きながら皆藤に話し掛ける。しかし皆藤は諏訪を完全無視すると、真っ直ぐに自分の机に向かった。机の脇にかけてあったバッグを取り、手にしていた本を中に入れて再び教室を出ようとする。しかしそれを、諏訪が制した。「待て」皆藤の肩を掴み、歩みを妨げる。...

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『PERFECT BLUE』第2章までアップ完了しました

あとがき

2020.04.09 (Thu)

はじまりました。新シリーズ『PERFECT BLUE』。学園ものということで、"学生って何してたっけ?どんな行事あったっけ?"と、自分の学生時代のこととか思い出しながら書いています。どうでしょう?楽しんでいただけそうでしょうか。この作品、かなりの長編を予想しております。なにせ、皆藤の心が頑なに閉じていますし、ここに出てくる主要人物(皆藤、諏訪、町田、宇賀)以外の人物でもそれぞれドラマがあるという構成でもありますの...

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PERFECT BLUE 03-01

1幕-3:氷の仮面

2020.04.14 (Tue)

【3:氷の仮面】[1]Pppppp……。「ん~……」けたたましく電子音が鳴り、ベッドの上で町田は眩しそうに目を開けた。カーテンから漏れる、すがすがしい朝の光。昨夜セットした時間どおり、目覚ましは正常に7時ちょうどで反応している。「もう朝かぁ……」呟きながら前髪をかき上げ、町田はムクリと起き上がった。「おい、朝だぞ」隣に眠る人物に顔を向け、その肩を軽く叩く。「おい、智司。起きろよ」「………」「智司く~ん、朝ですよ?...

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PERFECT BLUE 03-02

1幕-3:氷の仮面

2020.04.15 (Wed)

だから町田は、仕方なく話の内容を変えた。「今日は俺遅くなりそうだから、夕飯は自分で作るか買ってくるかしといて」「ああ、わかった」やはり、皆藤はすんなりと答えてくる。「あ、そういえば昨日、功輔から久々連絡来たんだけどさ」「ん?ああ、功輔さん?」「あいつさ、もう一週間帰ってないんだって。まだ研修医だっつーのにこき使われてるって嘆いてたよ」「ああ、あの人もう卒業したのか。外科だっけ?」「いや、ここから2...

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PERFECT BLUE 03-03

1幕-3:氷の仮面

2020.04.16 (Thu)

職員室で朝礼を終えた諏訪は、教室に向かって歩いていた。昨日のあの一件が、頭からずっと離れない。『教師は大人しく勉強だけ教えてりゃいいんだよ。それで金貰ってんだろ?それとも生徒の心に踏み込むとボーナスでも貰えんのか?』『先公なんて、ホストと一緒なんだよ』冷たい瞳で、そう言い捨てた皆藤。しかしそれは、目の前の諏訪に言っているというよりも、皆藤自身に言い聞かせているような気がして。だから、去っていこうと...

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PERFECT BLUE 03-04

1幕-3:氷の仮面

2020.04.17 (Fri)

他の生徒にも、諏訪はひと言ずつつけて出席を取り続けた。昨日は一度で返事をしてくれなかった桜沢や真鍋も、今日は一度で返事をしてくれた。諏訪が「おはよ~桜沢。いい名前だからもう一回呼んでいい?」とか、「おはよ~ナベ。今日も俺のファッションリーダーだ」と親しみを込めて言葉を返せば、2人はそれに対する返答はしないまでも、「アホくさっ」と呟きながら笑ってくれた。その中で皆藤は、いつの間にか諏訪から窓に視線を...

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PERFECT BLUE 03-05

1幕-3:氷の仮面

2020.04.19 (Sun)

[2]「智司、居る~~?」軽いノックの後、ガラリとドアを開けて、その生徒は保健室に入って来た。「やっぱ来た」現れた人物に、予想通りだと町田が苦笑すれば、「何よマチルダ先生。感じ悪いな~」その生徒が飄々とした態度のまま笑った。宇賀尚弥である。「皆藤ならベッドだよ?」町田がボールペンでクイッとベッドを示すと、宇賀の訪問に気付いたらしき皆藤がベッドから現れる。「おおっと、グッドタイミング。智司ってば、俺が...

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PERFECT BLUE 03-06

1幕-3:氷の仮面

2020.04.20 (Mon)

「うそ……」「だから、DOQの気持ちが分かるっつーかさぁ。DOQの兄貴って感じかな~、俺」「元ヤンなんだ……」何で…??と、諏訪が泣き出しそうな目をしている。「今、"お前もかよ"って思ったでしょ」「正直……」「ハハハっ。正直でいい奴だねお前。やっぱ諏訪おもしれ~~」「俺は全然面白くないんですけど。え、冗談なんですか?」冗談だと言ってくれというように、肩を落として諏訪が眉を下げる。「いや、マジなんだけどね?...

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PERFECT BLUE 03-07

1幕-3:氷の仮面

2020.04.21 (Tue)

[3]新学期が始まって10日が過ぎ、授業も本格的に始まっていた。生徒たちも、春休みボケからやっと抜け出しはじめて、勉強モードに入りつつある。「昼メシ中、悪かったな~~」昼休み中の写真部の部室。一緒に来た谷原と藤崎に、諏訪はすまなそうに笑ってそう言った。彼らの手には、部のために学校で支給してくれている一眼レフカメラ。そろそろ本格的に部活動を始めようかと考えている諏訪は、谷原と藤崎に頼んで、カメラの簡単な...

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PERFECT BLUE 03-08

1幕-3:氷の仮面

2020.04.22 (Wed)

授業が終わり、ホームルーム前の5分ぐらいの休憩時間。帰り支度をしながら、生徒たちがわいわいと騒いでいた。即行彼女に電話をかけた秋本が、隣の武藤に頭をはたかれたり、谷原からは「マリエ~、だってぇ」と楽しげにはやし立てられている。それを藤崎が笑いながら見ており、谷原の机に腰掛けていた富永も「マイケルの彼女?美人?ブス?」と独自の毒舌で笑いながら見ている。黒板の文字を消しながら楽しそうに会話をしているの...

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PERFECT BLUE 03-09

1幕-3:氷の仮面

2020.04.23 (Thu)

「ん~~」伸びをしながら、諏訪は外に出た。今日はこれから職員会議があるから、まだ帰れない。始まるまでの30分、外の空気でも吸おうと思ったのだ。この高校は、東京でも都心から離れた郊外にあるせいか、敷地がやたらと広い。校舎はそこまで大きいわけでもないが、校庭が広々としていて最高の解放感だ。メインのグラウンドは競技場かと疑うような広さと設備だし、体育館もちょっとしたアリーナレベル。そして校舎と体育館の狭間...

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PERFECT BLUE 03-10

1幕-3:氷の仮面

2020.04.23 (Thu)

「あ、写真撮ってたんだぁ」中庭のベンチに座って皆藤がカバンにカメラをしまっていると、宇賀が声をかけてきた。「保健室にも居なさそうだったし、教室も暗くなってたし、もう帰ったかと思ってた」皆藤に近寄り、宇賀はにっこり笑う。皆藤は宇賀の言葉に特に何か返すこともなく、チラリと彼を見ただけでまた視線を戻し、バッグを閉めて立ち上がる。宇賀もまた、それがいつものことのように、ニコニコとしたまま皆藤の隣を歩き出し...

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PERFECT BLUE 04-01

1幕-4:ダンデライオン

2020.04.28 (Tue)

【4:ダンデライオン】[1]「こうやって……」皆藤の右手をそっと握って、自分の唇を手の甲に寄せる。しかし、宇賀はそれだけを呟いて、その先の言葉を止めてしまった。宇賀の自宅。部屋に通されるなりベッドに押し倒された皆藤が、宇賀に覆い被さられたのは、つい先ほど。口付けとともにシャツの中に入れてきた手に体中をまさぐられ―――今に至る。この1年、彼と過ごす時間は、いつもこうだ。放課後、皆藤は自分がバイクで来ていな...

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PERFECT BLUE 04-02

1幕-4:ダンデライオン

2020.04.29 (Wed)

「今日も智司は、ちゃんと生きてるね」自分に口づけ、触れながら、必ず彼が口にする言葉。そのために、こんなことをしているのだから。『智司、俺とセックスしない?』彼が皆藤にそう提案してきたのは、1年前のちょうど今頃。『智司が生きてること、確認したいんだよね』生存確認のためのセックスだよ。何でもないことのように、宇賀はそう言った。元々皆藤は、セックスというものに思い入れなどない。一時の快楽のために存在する...

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PERFECT BLUE 04-03

1幕-4:ダンデライオン

2020.04.30 (Thu)

「おかえり~~」皆藤がマンションに帰ると、すでに帰宅していた町田がキッチンから顔を出した。夕食を作っていたらしくトレーナーを腕まくりしている町田は、手に包丁を握っている。さすがの皆藤も思わず一歩後ずさった。「あぶねぇっつうの。殺す気かよ」「え?おおっと、ゴメンゴメン」皆藤に指摘されて初めて気付いたのか、町田はアハハと笑いながらキッチンに戻る。「もうすぐ出来るからさ、早く着替えてきな」フライパン片手...

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2020年度GW期間中について

お知らせ

2020.04.30 (Thu)

【GW期間中について】みなさまこんにちは。BONNIEです。5/1(金)~5/11(月)の当ブログの運営についてお知らせします。・BONNIE本業集中のため、サイトはお休みとなります。・お休み期間中は、お話の更新のみ通常通り行います!・メールやコメント等々の対応が5/12(火)以降になるかと思いますが、ご了承くださいませ。コロナウイルス感染拡大により今年のGWは自宅に居る時間も多くなるかと思います。なので、できるだけ間隔を空...

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