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【  2020年08月  】 

PERFECT BLUE 09-04

2幕-9:決意の夏

2020.08.02 (Sun)

[2]「あ、おはよう智司」朝9時、自室から出て来た皆藤に、ちょうど朝食を作っていた町田が振り返った。「……はよ」「今起こそうと思ってたんだよ。お前も食ってけよ、朝メシ」「うん」頷いた皆藤は財布とスマホをズボンに入れながら、煙草を1本出して咥えた。「今日はどのカード使うか分かってんのか?」2人分の朝食をテーブルに置いて向かい側に座った町田が、少々意地悪そうな笑顔で訊ねる。「分かってるよ」「そ?出入口でピ...

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PERFECT BLUE 09-05

2幕-9:決意の夏

2020.08.03 (Mon)

「あ……」打ち合わせ帰りに立ち寄った、いつもの映画館。映画館のチケット売場で、目の前の人物が声を発した。皆藤も、その人物に思わず一瞬戸惑う。谷原だった。しかし、すぐに皆藤は表情を戻した。「……次の回を、学生1枚」売場の横に並んでいる上映作品のひとつを指差し、ボソリと呟いてサイフを広げた。学生証をチラリと見せ、千円札2枚をトレーに入れる。「あ、うん……」谷原も慌ててチケットを出し、500円のお釣りをトレーに...

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PERFECT BLUE 09-06

2幕-9:決意の夏

2020.08.04 (Tue)

「……でさぁ、その合コンで友達がね、幹事のくせにベロンベロンに酔ってさぁ…」さっきから無言で歩いている皆藤に、諏訪は一方的に喋り続ける。話に茶々を入れるのは好きだが実際の口数は意外と少なめな町田と違い、無口そうな外見を裏切り話好きな諏訪は、学校でも生徒といろいろな話をする。そのノリで皆藤にも話し掛けるのだが、皆藤は相槌も打たないで聞いているだけだ。それにしても……「帰る方向が同じだった俺がタクシーに一...

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2020年度お盆期間中について

お知らせ

2020.08.04 (Tue)

【お盆期間中について】みなさまこんにちは。BONNIEです。8/7(金)~17(月)の当ブログの運営についてお知らせします。・BONNIE本業集中につき、サイトは休みとなります。・お休み期間中は、お話の更新のみ通常通り行います!(予約投稿によるアップとなります)・メールやコメント等々の対応が8/18(火)以降になるかと思いますが、ご了承くださいませ。ちなみに次回の更新は8/9(日)です。『PERFECT BLUE』第2幕10章からとなります。...

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PERFECT BLUE 10-01

2幕-10:つむじ風

2020.08.09 (Sun)

【10:つむじ風】[1]9月。今日から新学期。「…………」朝、教室に入った皆藤は、眉を寄せて溜め息をついた。自分の席に宇賀が堂々と座っている。そして、いつものように木下や真鍋や桜沢と和んでいる。「あ、智司。おっはよ」皆藤に気付き、宇賀は呑気に手を振ってお出迎えだ。もう一度溜め息をつき、皆藤は席に向かった。宇賀はニコニコと見つめてくる。「お前、何してんだよ」「ん?久し振りに教室で迎えてあげたんだよ。夏休み明...

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PERFECT BLUE 10-02

2幕-10:つむじ風

2020.08.10 (Mon)

「今日も強制連行?」館内の教員席に着くと、先に座っていた串崎が、笑いながら諏訪に話し掛けた。串崎の隣には町田も居る。「いや、今日は何も言わなくても来ました」諏訪は、自慢気に、嬉しそうな笑顔を見せた。「ついに諏訪パワーに観念したか……」「はあ?何すか、それ」「ま、よかったよかった。大きな進歩だね」串崎が、諏訪の肩を叩きながら労をねぎらえば、「もしかして諏訪、物で釣ったりとかしてねぇよな?」串崎の隣から...

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PERFECT BLUE 10-03

2幕-10:つむじ風

2020.08.13 (Thu)

[2]「そういえばさ、副委員長の件、どうする?今日決めないか?」帰りのホームルーム。諏訪は、文化祭の準備が2日後から本格的に始まることを思い出し、話を切り出した。「あ、どうしようかぁ。トミーが委員長だから、やっぱ谷原?」あまりにも短絡的な考えで、秋本が谷原を振り返る。「別にいいけど、でも何で俺?」「だって、大の仲良しじゃん」「関係なくない?もっとちゃんと決めようよ~」秋本の発言に不満そうな谷原が、"...

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PERFECT BLUE 10-04

2幕-10:つむじ風

2020.08.14 (Fri)

「ちわ~~。智司いる~?」放課後、皆藤を探しに来た宇賀が、保健室に現れた。「皆藤?居ないよ。写真でも撮ってるんじゃないのか?」ノックしろよな~と苦笑しながら、デスクに居た町田が宇賀に顔を向ける。「そっか。じゃ、探しに行くかなぁ」独り言を言いながら、しかし何故か宇賀は中に入ってくる。そして、長いすに腰掛けてしまった。「何だよ、行かないの?」落ち着いてしまった宇賀に、町田は首を傾げる。すると、宇賀が得...

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PERFECT BLUE 10-05

2幕-10:つむじ風

2020.08.15 (Sat)

「元気ですねぇ、アイツ。声がデカすぎ」宇賀が閉め忘れていったドアを笑いながら閉めて、諏訪が町田を見る。町田は動揺を隠すように諏訪に背を向けて立ち上がり、グッと伸びをした。「諏訪、今帰り?」振り返った時にはすでに表情を戻していた町田は、いつもの口調で話しかける。「何言ってんですか。これから職員会議でしょ。ついでに町田さんを誘って行こうと思って来たんですよ」「あ、そっか。そうだっけ」「そうですよ」まっ...

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PERFECT BLUE 10-06

2幕-10:つむじ風

2020.08.16 (Sun)

職員会議中、ダラダラと続いている話に飽きていた町田は、ふと先ほどの自分の発言を思い出していた。そして、思わず心の中で苦笑した。『誰のですか?』『好きな人の』すんなりと答えた"好きな人"という言葉。諏訪の存在に焦っている自分が可笑しかった。そして、『俺にも、分かる』宇賀のことが、初めて少し怖いと思った。自分は、大きな勘違いをしていたのだと、町田はあの瞬間気づいたのだ。皆藤に本気なのは、自分だけだと。宇...

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PERFECT BLUE 11-01

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.21 (Fri)

【11:ギター弾きとライオン】[1]「じゃあ、来週までに谷原が台本書いてきてくれるらしいから、そしたら皆で読み合わせしてみようね」副委員長の木下と共に黒板の前に立っている委員長・富永は、独特のあっけらかんとした口調で言うと、話し合いを終えた。化学の授業を潰しての、文化祭に向けた話し合い。諏訪は、窓際の最前列・藤崎の前に立ち、窓の桟に腰掛けてその様子を眺めていた。10月に入って、文化祭まで1ヶ月半。クラス...

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PERFECT BLUE 11-02

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.22 (Sat)

慌てて声をかけた諏訪に、すでに桜沢の席の近くまで来ていた皆藤は"今度は何だよ"という顔で振り返り立ち止まる。諏訪は皆藤の傍に駆け寄った。両脇の桜沢と石原が、石原の机に座って喋っていた木下が、木下の後ろの真鍋が、驚いて諏訪と皆藤を見ている。「何、これ」「何が」「何が、って。これだよ」皆藤が出した進路希望表を指差して見せる。「お前、これは希望じゃないだろ。最終的な道じゃないの?」こんな希望、聞いたことな...

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PERFECT BLUE 11-03

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.24 (Mon)

10日後。放課後の進路指導室。諏訪の前に座るのは、富永。「お前、大学進学することにしたわけ?」最初はどうでもいい雑談をしていた諏訪が、やっと本題に入った。諏訪は、生徒1人1人とじっくり話すためにと、1日に1人しか面接をしないようにしている。話の内容や話す数によって時間が変わるので、次の人間を気にしているとじっくり話せないからだ。1日に1人の生徒と、諏訪のスケジュールが何もない日を狙ってやるために、面...

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PERFECT BLUE 11-04

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.24 (Mon)

「お前さぁ、何してんのよ」保健室で缶コーヒーを飲みながらすっかり"くつろぎモード"の皆藤に、町田は苦笑した。彼は一緒に帰るために待っていてくれたくせに、町田が帰る準備が終わっても立ち上がる気配はない。「帰らねぇの?」「帰るよ」「じゃあ、帰ろうよ」「これ飲んだらな」「早く飲め」「るせぇな」眉をしかめ、皆藤は町田を睨む。一体何なんだか、と溜め息をつきながらも、町田は彼の隣に腰を下ろした。「何、どうした」...

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PERFECT BLUE 11-05

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.27 (Thu)

[2]数日後の放課後。諏訪は、外に出ていた。今日は、木下の進路面談の日だ。木下は富永と共に文化祭の会議に出ているため、面談まではまだ30分ほどある。そろそろ始まる中間テストの問題でも職員室で作り始めようかと思っていたのだが、あまりにも天気が良いので外に出ようと思ったのだ。「ん~~」グッと伸びをしながら、中庭に出る。すると、ベンチに腰掛けている人物に目が止まった。後ろ姿でも分かる。皆藤だ。「写真撮ってる...

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PERFECT BLUE 11-06

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.28 (Fri)

「え……?」訊き返したがすでに遅く、皆藤はスッとその場を去って行く。表情を見られまいとするように。「皆藤!」呼びかけるが、彼は振り返らなかった。諏訪は慌てて追いかけ、皆藤の腕を引いた。「どういうこと?」立ち止まった彼の前に回り、真っ直ぐ顔を見つめる。しかし、皆藤は無言。そこに居る彼は、いつもの表情だ。「皆藤……」「左目」「え?」不意に呟いた言葉の意味が分からず、諏訪は顔を覗き込む。すると、俯いていた皆...

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PERFECT BLUE 11-07

2幕-11:ギター弾きとライオン

2020.08.29 (Sat)

富永は3曲目を弾き終わったところで、帰る準備を始めた。谷原は帰って来なさそうだし、そろそろ帰るかと思ったのだ。すると、教室のドアがガラリと開く。「あ、部活終わった……?」谷原が来たのかと思い振り向くと、そこに居たのは皆藤だった。「…あ、皆藤くん。今帰り?」何気なく声をかけてみるが、皆藤は無言で富永の方へ歩いてくる。―――何だろう?首を傾げていると、皆藤は富永のギターケースにチャリンと何かを入れた。よく見...

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