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【  2021年02月  】 

PERFECT BLUE 22-01

3幕-22:究極の選択

2021.02.03 (Wed)

【22:究極の選択】[1]ずっと、一緒に居られると思っていた。彼のためだけに、生きていけると思っていた。自分の人生は、彼だけのために捧げられると。彼だけは、悲しませることはしない。彼を犠牲にしてまで幸せなんて欲しくない。逆に自分は、彼のためになら、いくらだって犠牲になる。それなのに。『もういいんだよ』それなのに……『諏訪のとこにいっていいよ』自分なんかのために、決断をした彼。『いっておいで』そう言って、...

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PERFECT BLUE 22-02

3幕-22:究極の選択

2021.02.04 (Thu)

「おはよ~、先生」朝、学校に出勤してきた諏訪は、すれ違う生徒たちにいつも通り声を掛けられた。「おはよ~~」答える諏訪の言葉も変わらない。いつもの朝だ。職員室で荷物を置き、今日は職員の朝礼は省略だということで時間まで書類の整理などをしてから、クラスの出欠表を抱えて教室に向かう。保健室の前を通り過ぎようとして、ちょうどそこから出て来た町田と目が合った。「あ、町田さん。おはようございます」やはりいつもど...

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PERFECT BLUE 22-03

3幕-22:究極の選択

2021.02.05 (Fri)

「何考えてんの?」昼休みの学食内。食事に殆ど箸をつけずに物思いにふける皆藤に、宇賀は声をかけた。金曜日のバスケ大会以降、皆藤とは全く連絡がつかないままで、やっと会えたと思ったら、皆藤はいつも以上に心ここにあらず。事情を知らない宇賀にとっては、理解不能だ。「何も」皆藤は素っ気なく言い返し、思い出したように食事を再開する。しかし、やっぱりすぐに箸を止めてしまった。そして、トレーごと宇賀に押し付けてくる...

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PERFECT BLUE 22-04

3幕-22:究極の選択

2021.02.08 (Mon)

[2]「答案用紙と問題、ちゃんと回ったか?」諏訪は、そう声を発した。3月を迎えて間もなく始まった学年末試験も、今日が最終日。最後の数学の試験は、諏訪が2年F組の試験監督だ。「じゃ、始めていいぞ」チャイムの音と共にそう告げると、生徒たちが試験を開始した。教卓に座った諏訪は、いつもとは違って真剣な生徒たちの表情を眺めながら、ふと、皆藤のところで視線を止めた。皆藤は、まるで授業中のように、淡々とした表情で...

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PERFECT BLUE 22-05

3幕-22:究極の選択

2021.02.09 (Tue)

「でも、俺も苦しいよ」大きな溜め息をついて、宇賀も俯く。「3人のうちで誰かを選ぶと言ったって、アイツの選択肢は、町田先生か諏訪先生の2択だもん。アイツは2人の間で揺れて、悩んでるだけ。俺は論外だからね」宇賀には、全て分かっている。自分が彼を愛していること、それを皆藤が全く気付いておらず、そんなこと考えるはずもないということ、全て。「アイツの心変わりに苦しむ気持ちも分かるけど、最初から除外されてるこ...

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PERFECT BLUE 22-06

3幕-22:究極の選択

2021.02.10 (Wed)

宇賀と皆藤は、3年F組の教室に来ていた。3年生は休みのせいか、1階には人通りが全くと言っていいほどない。他人に聞かれたくない会話をするには絶好の場所だ。皆藤は、廊下側の最後尾の机の上に座って、壁に背中を預けている。宇賀は、その前の席の椅子を皆藤に近づけ、椅子に乗りあがるように背もたれに腰掛けて壁に背を預けている。壁にピッタリと張り付くような2人は、廊下を誰かが通ったとしても死角になっている状態だ。...

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PERFECT BLUE 22-07

3幕-22:究極の選択

2021.02.12 (Fri)

皆藤が進路室のドアを開くと、すでに諏訪が待っていた。皆藤が現れたことに、諏訪はホッとした表情を見せる。なかなか現れないので、少し不安になっていたのだ。「座って」自分の前の椅子を指差して、促す。皆藤も、黙ってそこに座った。「何を話したいか、分かってるよな?」机の上に進路に関する資料など全くない。諏訪が話したいことは、たったひとつだけ。それは、皆藤もじゅうぶん理解している。だからこそ、教室で1人、しっ...

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PERFECT BLUE 22-08

3幕-22:究極の選択

2021.02.13 (Sat)

そこには、素顔だけの彼が居た。仮面のカケラも見せない、声をあげて楽しそうに笑う18歳の少年の笑顔が、そこにあった。出逢って初めて、皆藤が自分に満面の笑みを見せてくれた―――「いいねぇ。もっと笑って?」驚きから立ち直り、喜びと感動で胸がいっぱいになりつつも諏訪は、必死でふざける口調を保ちながら彼にカメラを向ける。「やめろって」皆藤は逃げるようにしながらも、諏訪にたくさんの笑顔を向けた。諏訪は、そんな皆藤...

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PERFECT BLUE 22-09

3幕-22:究極の選択

2021.02.16 (Tue)

[3]「ただいま」19時。皆藤は予告どおりにきちんと帰宅した。「おぉ、お帰り~」町田も、いつもの笑顔で迎える。目が合い、皆藤も微笑んだ。「早く着替えてきな、すぐ出来るよ」「分かった」久し振りにそんな会話を交わし、皆藤は自室へ荷物を置いて着替えるために入って行く。その間に、町田はテーブルに夕飯を並べていった。数分後、着替えた皆藤が戻って来た。2人でテーブルに向かい合い、食事を始める。「あ、これ美味くない...

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PERFECT BLUE 22-10

3幕-22:究極の選択

2021.02.17 (Wed)

諏訪は、3時を過ぎても眠れずにいた。ベッドに横になってはみたものの、眠れない。諏訪が考えているのは、たったひとつ。何かがおかしい―――と。何か自分は、大きな見落としをしている気がする。諏訪には、そう思えて仕方なかった。『慎が好きだよ』夕方の海辺で、キスの後、皆藤はそう言ってくれた。そして自分は、彼を抱きしめた。彼の言葉がとても嬉しくて。それなのに……『でも―――』皆藤はその後、絶望的な言葉を吐いた。『俺は...

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PERFECT BLUE 23-01

3幕-23:愛のある場所

2021.02.23 (Tue)

【23:愛のある場所】[1]"今までありがとう。1人になる。じゃあな"何度読み返しても、その文字は変わりなく存在していた。「何で。何でだよ……」静まり返ったリビングに、町田の声が空しく響くだけだ。朝起きたら、皆藤が居なかった。こんな書き置きだけを残し、彼は姿を消した。彼が行きそうな場所は手当たり次第探した。彼がよく通う海も、この間一緒に行った草原も、ノブの墓のある場所近辺も、そしてブリリアント・ストリート...

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PERFECT BLUE 23-02

3幕-23:愛のある場所

2021.02.23 (Tue)

榊に話しながら、町田の心に浮かぶのは、後悔の念だった。あんな風にいきなり話を切り出すのではなく、もっと他の話し合い方があったのではないか……そればかりが町田の頭をかけめぐる。「アイツ、身ひとつで出てったんだ。殆どのものが、アイツの部屋に残ってる。バイクも、置いて行ってる」『………』「体だって、あれからもきっと、ずっと寝不足のままだったはずだ。どっかで倒れたりでもしたら……」何も持たずに皆藤がどんな気持ち...

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PERFECT BLUE 23-03

3幕-23:愛のある場所

2021.02.25 (Thu)

「お前、1人?」小さなバー。1人で端のボックス席に座っていた皆藤に、1人の青年が声を掛けて来た。ブリリアント・ストリートから少し離れた場所にあるこの店は、皆藤は初めて来る店。この街に居た頃には来たことなかった。皆藤は、昼間は近くの映画館で時間を潰し、開店時の17時からこの店に居る。「俺、ケイっていうんだ。この店で働いてんだけど、急に今日休みになって。お前、開店の時からここにいるよね」ケイと名乗った人...

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PERFECT BLUE 23-04

3幕-23:愛のある場所

2021.02.27 (Sat)

[2]仕事を終えた榊が町田のマンションに現れたのは、朝の8時半近くだった。結局ほとんど眠れずに過ごした町田は、寝不足の顔丸出しで彼を迎えた。「よぉ」榊は町田の頭をひと撫でして部屋に入ると、皆藤の部屋のドアを開けた。そこには、まるで皆藤がちょっと出かけているだけのように、彼の私物がきちんと揃っていて。中に入った榊は、ベッドのサイドテーブルに置いてあるスマホを取って、ロック画面を表示させた。数件の着信を...

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PERFECT BLUE 23-05

3幕-23:愛のある場所

2021.02.28 (Sun)

「居そうにないな……」信号で止まったタイミングで、運転席の榊は溜め息をついた。助手席の町田も、無言で溜め息をつく。あの後榊は、朝食を摂りながら町田から大体の話を聞いた。諏訪のことも、宇賀のことも、町田自身のことも。そして、町田が皆藤に決断を迫ったことも。話を聞いている中で、榊が感じたのは、町田の言葉に対する小さな違和感だった。町田の推測と自分の推測に、何かズレを感じる。先ほど自分がロックを解除した皆...

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