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「極夜(直×大)」
Epilogue~訪問者~

Epilogue

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【Epilogue~訪問者~】

「はい直希、早めのメリークリスマス!」

大河の誕生日から1週間後、POLYGON特番のスタジオ収録に観覧に来ていた姉と妹は、収録を終えたスタジオ裏でニコニコと紙袋を差し出してきた。

「今のお兄ちゃんにはいっちばん合いそうなの選んどいたよ」

そう言って手渡されたオシャレな袋は、直希が好きなセレクトショップのもので。

「お♪サンキュー」

観覧に招待されたついでとはいえ、シーズンを考えてわざわざ用意して持ってきてくれたプレゼントに、直希は笑顔が漏れる。

「わざわざ悪いな~」

口うるさいが優しい姉と、生意気だが可愛い妹にそう言いながら、封を開けたのだが……

「―――!!!」

それを見た瞬間、直希は慌てて袋に戻して閉じた。
綺麗な紙袋の中に、これまた綺麗なラッピングで入っていたそれは、

「お、おま、お前、これ……」

"ある用途"で使うジェルだ。
驚愕の事態に目を丸くする直希だが、姉妹は顔色ひとつ変えることなく、

「彼に負担かけちゃダメだからね。わかった?」

姉が、嗜めるように見上げて、小声で言いつけてきた。

「ゴムは擦れるから、しっかり奥まで濡らしてあげなきゃキツいんだからね?ちゃんと気を遣ってあげてる?」

ゴムとセットで使えと。ゴムはお前のサイズが分からんから自分で買えと。
もちろんゴムなしだって使った方が良いだろうが、さすがにそこまでは彼女たちも発言を控えたようだ。

「か、かかか、彼、彼って……」

動揺して頭が真っ白になっている直希に、

「「決まってるじゃん。大河クン(さん)だよ」」

やっぱり小声で、声を揃えて答えてくる始末。
当然直希は、完全に思考がショートした。
すると姉が、フフッと笑って、

「それ、大河クンもしてるよね?」

直希のネックレスを、指差してくる。もちろん、さっきまで収録中だったのでシャツの中に隠れてはいたが、ヒョイともちあげれば、やっぱり予想通りの石。
こういう類のものが大好きな女子として、この石の意味だって知っているから、

「こないだ、あんたのイ●スタで大河クンつけてたな~って思って。"誕生日一緒に過ごしてます"とか、あんた、一体何なの?」

わざとらしくそんな投稿をアップした弟に、姉は呆れ顔で笑っている。写真だからはっきりとは見えなかったが、

「敢えて見えるように撮ったんじゃね?ってなぐらいにはっきり見える角度でアップされてて、お姉ちゃんと超笑ったんですけど」

食事中の大河が気付いていなさそうなのをいいことに、しっかりと胸元のそれにピントの合っていた写真を思い出して妹が笑う。
そしてのこの投稿への仲間たちのコメントが、超意味深だった。
特に実の、『直希のおかず、美味しそうですね。あ、ご飯の話ね』というコメントが、いろいろ物語っている気がして…。侮れないリーダーだと思うと同時に、慎重で賢いイメージの彼がそんなことを言うということはいろいろ公認なのだろうとも思えて。

「もうね、まる分かりだから。付き合えてんでしょ?良かったね」

直希が長年片想いしていた頃から、女の勘でいろいろ気付いていた彼女たちは、僅かな反応や言動で気付いていたらしい。

「彼今日来てないけど、体調悪くしてるって噂ホント?無理させてないでしょうね」
「たくさん優しく"シテ"あげなきゃダメよ、お兄ちゃん」

ウフフと、笑い方だけは女子らしいが言ってることはトンでもない2人は、唖然としている直希にそれぞれそんなことを言い捨てると、そそくさとその場を去って行った。

「……なんだアイツら…」

愕然としながら、直希は呟いた。
そしてもう一度、紙袋に目を遣り、ラッピングの中身が見えないように改めて手早く包んで。

―――まったく、ウチの女共はどうなってんだ…

やれやれと、頭を抱える。
兄(弟)にこんなものを平気で渡すなんて、どこまで友達気分だと。その遠慮の無さが鈴野家のメリットでもあるが、さすがにここまでは恥ずかしい。だいたい、ならば自分が妹に性教育できるかといわれたら絶対無理だ。

―――つーかそもそもあいつら、これどこで買ったんだ?

自分の予想が正しければ、これはネットか"そういう"店に行かなきゃ売ってない。
最近の女は怖いなと、つくづく思う。

―――まあ、ありがたく使わせていただくけどさ…

あればあったで重宝はするだろう。
もちろんこの事実は、大河には絶対言えないが。言った瞬間に、大河は二度と姉たちの顔をマトモに見れなくなるだろう。大河ファンである彼女たちのためにも、これは絶対に秘密だ。

「直希~、そろそろ楽屋戻るぞ」
「あ~はいはい」

拓郎に呼ばれて、直希もその場を去る。

―――あれ?待て。あいつら何で男同士のヤリ方を知って……いや、やめよう。

考えれば考えるほど恐ろしくなって、これ以上は女性不審になりそうなので直希はやめておいた。
本当に、最近の女は怖い。いや、鈴野家の女共と言うべきか。

「姉ちゃんたち、何くれたの?」
「ん?あ、ああ、このショップの、ボディクリーム。ここ来る前に寄ってきたらしくて」
「へ~、お前そこのショップ好きな~」
「アハハ。そうなんだよね~」

相変わらずストレートに言葉を受けてくれる拓郎に感謝しながら、直希はマンションで待つ大河に大きく詫びていた。

―――仲間どころか、もっと変な奴らに気付かれてた、ゴメン…

と。


Fin


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