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「reward(直×大)」
2:お気に召すまま

2-1

 ←『reward』第1章アップ完了&拍手SS新作予告 →2-2 ※R-18
【2:お気に召すまま】

収録が終わったのは、17時半だった。
大河を刺激するな、とあれだけ忠告したにも関わらずいじるだけいじってくる仲間たちの渦には、さすがにこれ以上居させることはできなくて。収録現場でも楽屋でも仲間にさんざんいじられながらも直希は、大河を送るつもりだったらしき高瀬に軽く断りを入れると、大河の手を引いて何とかその場を後にすることができた。
エレベーターを降りてすぐ陸と鉢合わせたものの、見ないフリをして去ってくれた彼には思わず心の中で頭を下げて。足早に駐車場へと辿り着いた直希は、大河を助手席に乗せると、さっさと車を出したのだった。

平日とはいえイブの今日は人の通りも多い都会の街を、ひたすら走る。
真冬の夕方は、すでに真っ暗だ。

「直希、集中せえや」
「してるよ」

そう答えながらも直希は、助手席に座るその人をチラチラと眺めてしまう(←わき見運転は非常に危険です)。
さっきから、何度も何度も思い出してしまう、昼間の彼の言葉。

『俺今日は、お前とゆっくりしたい』

なんて。まさか彼から誘ってもらえるとは思わなかった。
イブの夜に、その誘いを直希がどう捉えるか、それはさすがの大河だって分かるはずで。それを理解した上で誘ってくれたであろうことは、彼の目を見ればわかること。だからこそ余計に、信じられないぐらいに嬉しかったのだ。

正直なところ。
今夜の外食は、直希も明日に回したいと思っていた。
大河と久しぶりに夜を共にできるはずなのに、悠長にディナーなんて楽しむ余裕は本当は無くて。
しかしそんな下世話なことを言い出せば彼を怒らせるかもしれないと、しかも久々のガッツリ料理を楽しみにしていた彼をがっかりさせてしまうだろうと、黙っていたのだ。

「わー、やっぱ綺麗やなぁ」

そう窓の外に目をやった大河の横顔を、チラッとまた盗み見る。
白い肌が街頭のイルミネーションで照らされて。

―――あんたの方がキレイですけどね

そうツッコミたくなるのは必然的だが、一瞬見惚れている隙にタイミングを逃してしまった。
正面から見れば愛嬌の目立つ"超個性派イケメン"の大河は、斜めや横から見ると"正統派イケメン"であることは、ファンや仲間内では有名な話だ。
それは、額の角度や少しくぼんだ目の角度、高い鼻、顎から耳元に向けての繊細なラインなど、日本人にしては凹凸のはっきりした顔だということが横顔で証明されるからだろう。
さらに、白い肌はもちろんなのだが、気の強さを思わせるキリリと上がった眉や、それに相反する少し下がった目も、洋風な雰囲気を漂わせている。
そして、高い声質からも予想できる女性のようにストレートな喉元が、彼に秘められた繊維な雰囲気を滲ませている。

しかし今は。
僅かに開いた唇とあいまって、綺麗というよりは……

―――正直、ちょっとエロいよな…

子供がそのまま大人になったような大河だが、イルミネーションの照明効果なのか、無邪気な表情がすべて色気に変わっている。
とはいえさすがにキスはできないので、直希は堪えきれずに片手を伸ばして、キュッと手を握った。

「え?ちょ…っ」
「危ないから暴れないで」

手を改めて強く握ってそう言えば、大河も黙り、そのまま車内は静かになって。
繋いだ手から温もりが伝われば、心なしか車内の室温も上がった気すらしてしまう。

「夕飯、どこで買う?腹減ってる?大河」
「…いや、俺はまだそんなに。直希は?」
「俺も、食えるっちゃ食えるけど、減ってるわけでもないかな」
「まだビミョーに早いよなぁ」
「後でピザでも頼もうか」
「ああ、それがええかな」
「じゃあ、とりあえずこのまま真っ直ぐ帰るね」

そう決めて、指先を絡めて指の腹で撫でるようにしたら。
大河がさりげなく握り返しながら、ジッと見つめてきて。
しかし急に恥ずかしくなったのか、照れ隠しに片手で起用に箱入りのグミ(←直希に買ってもらった)を食べ始め、信号待ちついでにと直希にも差し出してくる。差し出してきた直希の手に乗せようとして案の定こぼし、一人で慌てながら拾っている姿は面白いし可愛らしいのだが……

―――大河ちゃん、手…(^_^;)

大河の手が、直希のきわどいところに若干触れていることを、恐らく大河本人は気付いていない。照れ隠しに夢中で、もっととんでもない事態になっていることに気付いていない。
だから、

「やめて大河」
「?」
「……勃ちそう」
「…!!(ビクッ∑(・・;))」

そこで初めて大河も気付いて、慌てて手を引いた。
仕方なく直希は彼から手を離して自分で拾い、口に入れて、また手を握る。
それからは大河は、大人しく直希に手を握られていた。





マンションの駐車場に車を乗り入れ、エンジンを切った直希は、後部座席から彼のコートを取って渡し、外に出た。
自分のバッグと大河のバッグも後ろから出し、片手でまとめて持つ。助手席から降りてきた大河が自分の荷物を受け取ろうとするのを軽く交わし、手を引いて歩き出した。

「直希」
「ここならこんくらい平気だって」

戸惑う大河をまたもや軽く交わして、手をつないだままエレベーターに乗り込む。
さっきからいちいち期待通りの反応を示してくれる大河に、正直もうかなり"キてる"ことに、気付いてほしい……

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