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「直感(春×歩)」
3:甘い攻防戦

直感 3-1 ※微R-18

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*こちらはビミョーにR-18表現が含まれています。
*ご理解ある方のみお進み下さい。





【3:甘い攻防戦】

春海からのキスは、いつも甘い、と栗原は思う。
だから今だって、ピザとチキンナゲットを食べたとは思えない、まるで甘いカクテルを飲まされているかのようなそのキスに、瞬く間に酔わされていく。真昼間に、ピザ食べながら何してるんだと思っても、もうどうでも良くなってくる。

「…ん…」

栗原が小さく息を漏らすと、春海の唇が少しだけ離れる。でも離れたくなくて、栗原からも唇を寄せた。

「…ハルさ…」
「栗ちゃん、口、開いて?」

囁くような言葉と共に、唇を舐められる。それを合図に栗原が口を開けば、するりと春海の舌が入ってきた。
頬に触れていた手が首筋に降りて、少し引き寄せられる。もう片方の手で髪をサラリと撫でられれば、たまらず栗原も、彼の頬に手を添えて自らも唇を押し付け、舌を差し出した。

「ん…んん…」

激しい雨。予報通り、春海がここに来たときよりも明らかに勢いを増している。
でもそんな雨音に負けないぐらいに、部屋の中で響く、濡れた音。
口内を這い回り絡めてくる春海の舌は、普段のキスとも少し違っていて……
そこでようやく栗原は、自分が言ってしまったことの重大さに気付いた。
しかし、止めて欲しくないと、ただそれだけを思う。頭が痺れるような気持ちよさを、もっと味わいたいと。

「……は…っ」

春海がそっと唇を離すと、同時に2人の口からそんな吐息が漏れ、唇が触れ合う距離のまま、何となく見詰め合った。
春海の瞳が、眼鏡越しのせいかは分からないが、栗原にはいつもと違うように見えて。顔が赤くなっていくのが分かるのに、目が離せない。

「大丈夫?」

そんな風に覗き込まれれば、恥ずかしさは増すばかりで。無言でコクコクと頷くことしかできない栗原は、それでもやっぱり春海の瞳に見惚れていた。
見惚れながら、照れながら、離れた唇を名残惜しく思う。
そんな様々な感情に支配されて栗原が茫然としていると、それを戸惑いと受け取った春海が、

「わかった?栗ちゃん」

少し明るい声になって、体も少し離してしまった。

「俺ホンマは、いつでもこういうこと考えてるから。一緒には寝られへんよ」

一緒に寝てしまえば、この先を止める自信などないと。
それは栗原にも、今のキスで何となく感じられたことだが、

「その話はまた後でいいから」

今の栗原にとって重要なことは、すでにそこではなくなっていて。
離れてしまったこの距離と唇が、たまらなく名残惜しい。
だから栗原は恥ずかしさも忘れ、思わず春海の腕を引いて再び彼の体を引き寄せると、

「今のじゃ、なんか中途半端で嫌だ」
「え?」
「もう少し、しよ?」

伸ばした手で、目を丸くしている春海のメガネを外しながら頬に触れて、

「ハルさん、もういっかい…」

そう口にしながら唇を寄せた瞬間―――

「あっ!」

春海に腕を引かれてソファに上げられると、そのままそこに押し倒された。
乗り上げてきた春海から右手のメガネを奪われ、ポイッとテーブルに放られる。

「あ…」
「アカンて栗ちゃん…」
「え…?」
「自分で、言ってることわかってる?」

目を丸くする栗原を組み伏せたまま、春海は激しく唇を塞いできた。

「…ん…んぅっ…ふ…ぅ」

栗原の小柄な身体は、見た目からは想像できない程に力強い春海の腕できつく抱きしめられて、身動きもとれない。
しかし、あまりに苦しくて春海のシャツをギュッと掴めば、不意に唇が解放された。そしてまたすぐ塞がれて、舌を絡ませてくる。
春海の手が、いつの間にか自分の体をまさぐり出していることに栗原が気づく頃には、

「ハルさん…あ…」

熱い手のひらに翻弄されるように、栗原の体も熱を帯び始めていて。

―――怖い…

反射的に、そう思った。

「ん、ちょっ…待っ…」

慌ててその手を止めようと掴んでも、春海の力は相変わらず強い。
栗原の制止を軽く交わした春海の手が、シャツの中に入ってきて、脇腹を撫で上げる。

「あっ―――!」

くすぐったさに、栗原は思わずビクンと反応した。
力の入らない体でパニックになっていれば、今度はその手が下に降りてきて。布越しとはいえ、自分の中心を撫で上げられた瞬間、

「い、いやだ!!」

大きな声とともに精いっぱいの力で、春海の体を押し離していた。

「―――!」

ハッとした春海が、ピタリと動きを止めて手を離す。
ようやく体の自由が戻った安心感から、栗原が見上げた先にあったのは、春海の複雑そうな顔で。

「ハル…さん?」

どうしてそんなに難しい顔をしているのかと、栗原が問いかけようとしたとき、

「なあ栗ちゃん…やっぱり、まだダメ?」

静かに、そう問われる。

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