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「直感(春×歩)」
3:甘い攻防戦

直感 3-2 ※微R-18

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*こちらは後半にR-18表現が含まれています。
*ご理解ある方のみお進み下さい。





「え……」
「俺と、こういうの嫌?無理かな」

伺うような、遠慮がちな声。
しかし栗原は、まだ混乱した頭では正常な考えが浮かばなくて。そもそも春海が何を言っているのかすら、ここまでされているのに分からずに、

「えっと…ハルさん……あの…」

必死で状況と言葉の意味を理解しようとしていれば、そんな栗原の態度は、春海には"困っている"と捉えられた。
だから、

「ご、ごめん!やっぱ今の無し!!」

突然勢いよく体を起こした春海は、ついでに栗原の腕も引いて起き上がらせてやると、取り繕うような笑顔を見せる。

「俺アカンよな?栗ちゃん嫌がってるのにガッついて怖がらせて、それなのにまだそんなこと言うとか、なぁ?」

栗原の乱れた衣服を整えて頭を撫でてやりながら、もう片方の手で自分の頭をガシガシ掻いて、必死で空気を取り戻そうと試みるものの。もちろん栗原がそこに乗るわけもないから、空気は一切変わらない。
だから春海も、空回りのテンションをすぐに止めると、

「ホンマ、ごめんな?」

誠意を込めて、改めてそう詫びる。
しかし栗原にとって、不思議とそれは、何一つ自分を安心させるものではなかった。
寧ろ、別の不安が押し寄せていて。
春海がこのまま帰ってしまうんじゃないかとか、もう二度と触れてくれないんじゃないかとか、そんな不安が。
だから気づけば栗原は、彼に手を伸ばしていて。

「何で…謝んの?」

春海のシャツの裾を掴みながら、

「…俺、まだ何も答えてないのに…」

考えなしに、そんな言葉が口から出ていた。

「えっと、栗ちゃん?」

驚きと戸惑いで間抜けな声を出す春海が、覗き込んでくる。その声も表情もいつもの春海で、だからなのか安心した栗原は、素直な思いを口にした。

「そもそも、もっとキスしたいって言ったの俺の方だし。"嫌だ"って言ったのは、突然のことに驚いて混乱してたからで」
「ん?うん…」
「だから…」
「だから?」
「ハルさんと、もう少しくっついてから考えたいんだけど…」

あのまま先に進むのは怖いが、春海が離れていってしまうのが嫌だ。そんな思いから出たのは、そんな提案だった。
栗原の提案に、春海は目を丸くしてキョトンと見つめている。付き合いを始めた日の提案といい今といい、突拍子もない発言に思考回路は一瞬止まったものの―――

「アハハハ!!」

栗原の言葉がようやく頭に入った瞬間、春海はたまらず声をあげて笑っていた。

「そーかそーか。くっつきながら考えたい、かぁ」

どんだけ可愛い奴なのかと、グリグリとその頭を撫でる。ここまでその気になっている自分にとっては辛い状況といえばそうだが、それでも自分の温度を求めてくれる恋人が可愛くて仕方ない。
だから春海は、体勢を横向きに変えると、

「分かったよ栗ちゃん。じゃあくっついてようね」

栗原の体も横に向かせて、後ろ抱きにする形で引き寄せた。

「拒否られたんやなくてよかった。驚かせてごめんな?」

と、鼻先をくすぐるその髪にキスを落とせば、栗原の体から緊張が解けていく。
解けていく、のだが――――
栗原の中で、恥ずかしさはまだ続いていた。猫のように首元にすり寄ってくる春海の感触に、むしろその感覚は増していく。
だから、くっつきながら考えたいと言ったのは自分なのに、正常な思考なんて働いてくれるわけがない。

「えっとぉ…ハルさん」
「ん?ピザ食いたい?」
「そうじゃなくて、あの…」
「ん、なに…」
「い、いまって…ど、どういう状況?」
「へ?」

それをお前が訊くのかと、春海がまた笑った。
春海が笑った瞬間、彼の吐息が首元を掠めて。栗原が思わずピクンと肩を竦めると、

「ごめん。くすぐったかった?」

言葉では謝りながらも、春海は悪びれることなく、そこにチュッとキスをしてくる。その全てがくすぐったくて、栗原はまた体温が上がった。
同時に今度は、下半身にも熱が集中していくのを感じて……
だからもう止めてほしいのに、春海は栗原の反応を楽しむように首筋にいたずらをしかけてくるから、

「……んっ…」

思わず声を漏らした栗原は、咄嗟に春海の腕を解こうと試みたのだが。

「待って栗ちゃん」

逆に、強く抱きしめられた。
その手が、また、脇腹や腹を優しく撫で上げてくる。

「やっ!ハ、ハルさん、ちょっと…」

約束が違う、と言いたいのに、その手に翻弄されている自分がいて、栗原は戸惑った。
しかし、下に降りた春海の手が、再び布越しに触れてきたそこに、

「待った待った…!」

栗原は慌ててその手を掴む。
さっきと違って、そこは完全に反応している。そんな自分を知られるのが怖かった。
しかし、その手は一切そこから離れずに、

「あ…やっ…ダメだってばハルさん!」
「大丈夫やって、栗ちゃん」

静かな声と共に春海が、空いている手で栗原の手を掴んで制してきた。

「ほら、俺も一緒」

そう言って、自分の腰を押し付けてくれば。
そこは栗原と同様、硬くて―――

「―――っ!」

驚きのあまり栗原が振り返ると、

「な?」

そこにあったのは、先ほど見た、春海の顔。ここに押し倒して激しく攻めてきた、あの春海だ。
だから思わず身構えたのだが、

「栗ちゃん」

囁くように名前を呼びながら唇に軽くキスをくれた春海の優しいキスに、力が抜けていって。
布越しにゆっくりと動き出したその手が、形をなぞるように的確な場所を刺激してくる頃には、栗原のそこは完全に熱くなっていた。

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