FC2ブログ

「★パンドラの箱(三角関係)【連載中】」
5:決意と決別

パンドラの箱 5-5 ※微R-18

 ←パンドラの箱 5-4 →『パンドラの箱』第5章アップ完了
*こちらは軽くはありますがR-18ページです。
*ご理解ある方のみお進み下さい。





人気ピザ店の人気トップ3メニューも、直希にとっては、ただ空腹を満たすだけのもの。デリバリーピザでは一番美味しいと思っていたはずが、何も味がしなかった。
ソファにぼんやりと座り、スマホを眺めて。
読まれることのないメッセージを彼に送るのは、この2週間ほぼ毎日していること。しかし彼に最後通告とも取れる言葉を言われた今日は、送る勇気はさすがに出ない。
出ないのに、やっぱり画面を開いてしまって。
すると、この2週間のメッセージに全て既読マークがついていた。

―――読んでくれたんだ……

自分とケリをつけたことで、気持ちに整理がついたのだろうか。
そしてこのメッセージを読んでも何も返事をくれないということは、彼の気持ちを動かすことはできなかった、彼の決意は揺らがなかったということだろう。
自分を捨て、実を選ぶと―――

「嫌だ……」

頭を抱え、空白の隣を眺める。
この部屋でも彼のマンションでも、いつでも自分の横には、大河が居てくれた。
叶わぬ想いを抱えながら、それでも笑っていてくれた。
しかしそれは、自分がそこしか見ていなかったからだと、今になれば分かる。
大河は決して、笑っていただけじゃない。辛い顔も、たくさんしていたはずだ。それを、自分が無意識に目をそらしていただけのことなのだ。
好きになる前は、自分の快楽に夢中で。好きになってからは、彼を引き止め閉じ込めることに夢中で。彼を大事にしたいのに、いつも一方的にぶつけるだけで……

最後まで、ずっと―――

そう考えた直希の頭に、最後に大河と抱き合った日の出来事が、ふと蘇る。
あれは大河のマンションで、ソファの上で。ベッドが良いと言った大河の言葉は無視するように、彼を抱いた。
あの日も直希は、大河と実とのことで不安が募っていて。それを消し去るように、ソファに座った自分のモノを彼に咥えさせて、必死で相撫してくれる彼の姿に満足して。もう挿れてくれと懇願するような表情に気づかないふりで、指だけでナカを追い上げて意地悪なほど彼を焦らして。そして一度挿れれば、抜かずに何度も放出した。
それでも大河は、そんな無理強いに付き合ってくれた。クタクタになっても、応えてくれていた。
それは、求められているということに、期待していたのだろうか。それとも、拒否をして飽きられることへの恐怖心だったのか。いずれにしてもあの日の彼は、百歩譲っても笑ってはいなかったと直希は思う。今になって、思うことだが。
こうして彼を傷つけて、初めて分かった、苦しみ。日を追うごとに頻発していた、強要に近い行為の数々は、どれだけ辛かっただろう。見逃した表情とはいえ、彼の姿を思い出せば、頭に浮かぶようで。

「大河…」

その場に居ないその人の名を、しみじみと呼びかければ。

『あ…っ、なおき……っ、んん…』

自分の下で乱れた彼が頭に蘇る。
そうすれば、自然に自分の中心へと手が伸びて―――

「はぁ…あ、大…」

下着の中へ手を突っ込んだ瞬間、それは大河の手に変換された。





「んんっ、あ……ぅ、…」
「気持ちええか?大河」
「う、うん…」

ソファに押し倒された大河は、実の優しい手つきで、確実に追い上げられていく。片腕は実の首元に回して身を委ねつつ、大河ももう片方の手はしっかりと実の自身を追い上げていた。

「みのるも、ええか?」
「ええよ。めっちゃ上手いで、大河」

そして、キス。舌で口内を翻弄しつつも、やっぱり優しいキスに、大河も安心して実に舌を差し出す。唾液ごと絡め取られて水音が響けば、少しだけ恥ずかしかったが、目の前の色男は何をしていてもやっぱり男前でサマになっていた。
そういえば直希もその部類だ。男前のタイプは違えど、何をしてもいい男で……

―――って、俺は何を考えてんねん…!

大河は内心ハッとして、考えをかき消した。
コトの最中に別の人間のことを考えるなんて、最低だ。
止まりかけた手を再び動かそうとすると、まるで実が分かっていたかのように、大河の自身の先端を軽く掻いて。

「―――あっ!」

考え事など吹き飛ぶように、一気に訪れた快感に大河は喘いだ。
確実に近づく絶頂を堪えるように、大河も実の先端を掻いて同じラインへと導く。

「ぁっ……」

実が小さく声を漏らして眉を寄せると、同時に大河の手の中のそれもピクンと震えて。

「イケそうか?大河」
「うん…実は?」
「俺もや。じゃあ…」

実が、自分と大河のそれを合わせて、大河の手で掴ませてから、自分もその手に手を重ねる。

「一緒に。な?」
「うん…」

確かめ合ってから、実が大河の手と一緒に強く扱いていく。

「あ…は……っ、ぁあ」

その瞬間が目の前にきて、実の首に回していた手を引き寄せるように大河が悶えれば、実からも顔を近づけてくれる。
そのまま深く口づけ合いながら、2人は絶頂へと突き進んだ。





ソファに寝転がって下着の中に手を突っ込んだ直希は、鮮明すぎる大河の記憶に導かれるように、自らを追い上げていく。

『なおき…あぁ……っ、あっ!』

「大河…っ…あ…」

『もっと…』
『ここ?いい?』
『うん…んっ、ふ…ぁ、あ…』

「ごめん…ごめんね、大河…」

『直希…好きや……』

「俺も好きだよ…ホントに……」

―――大河じゃなきゃ…ダメなんだ……

『俺は実を選ぶ』

「―――っ、くっ…」

達する瞬間に浮かんだのは、違う男の名前を口にして去る彼だった。

「はぁ……は…」

肩で息をして、横たわったまま、呆然とした。
下着の中の手に感じる濡れた感覚は、放出の証。
あまりにも虚しい絶頂は、起き上がる力も手を下着から抜く力も、直希に与えない。
無意識に涙が溢れて……
彼の消えた静寂の部屋で一人、大事な人の心も体も粗末に扱った罰を、直希は味わっていた。



そしてそれは、やがて彼らの日常になっていき―――



大河と実は、大河が自分のマンションに戻っても尚、ほとんどの日をどちらかの部屋で一緒に過ごした。
肉体関係に進展はないものの、あの日少し進んだ関係は、繰り返されていく。
それは、ある日はベッドで、またある日は風呂場で、そしてソファでも。その度に交わすキスもまた、貪るように激しく、しかしやはり優しくて、大河に安心感を与えてくれるもの。

一方直希もまた、そこかしこに残る大河の面影に翻弄されるように、毎日のように自分で自分を慰めた。
消えるどころがどんどん鮮明になっていく大河との記憶は、直希に絶望感を募らせて。
自分が彼に何をしてしまったのか、日々強く思い知って。

大河と直希と実の間に流れる不思議な緊張感に、周囲も首を傾げ始め……
直希の限界感に今野が頭を抱える頃には。

気がつけば、更に10日が経っていた―――


第6章へ進む

関連記事
スポンサーサイト
↓ランキングに参加しています。
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL恋愛小説へ

総もくじ 3kaku_s_L.png 短編作品
総もくじ 3kaku_s_L.png Hide-and-seek(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 直感(春×歩)
総もくじ 3kaku_s_L.png Assist(春&歩)
総もくじ 3kaku_s_L.png 一時停止(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png Engagement(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png アゲイン(陸×千)
総もくじ 3kaku_s_L.png Beyond Silence(W大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 恋愛プロセス(拓×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 満月の夜(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 痴話喧嘩(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 白い恋人(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png reward(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 君と見る空(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 極夜(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png シンクロニシティ(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png Stranger(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png その先へ(直×大)
総もくじ 3kaku_s_L.png 優しい嘘(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編作品
総もくじ  3kaku_s_L.png Hide-and-seek(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 直感(春×歩)
総もくじ  3kaku_s_L.png Assist(春&歩)
総もくじ  3kaku_s_L.png 一時停止(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png Engagement(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png アゲイン(陸×千)
総もくじ  3kaku_s_L.png Beyond Silence(W大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 恋愛プロセス(拓×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 満月の夜(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 痴話喧嘩(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 白い恋人(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png reward(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 君と見る空(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 極夜(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png シンクロニシティ(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png Stranger(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png その先へ(直×大)
総もくじ  3kaku_s_L.png 優しい嘘(直×大)
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  • 【パンドラの箱 5-4】へ
  • 【『パンドラの箱』第5章アップ完了】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【パンドラの箱 5-4】へ
  • 【『パンドラの箱』第5章アップ完了】へ