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「立ち入り禁止(誠×風)」
6:答え合わせ

立ち入り禁止 6-7

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それから風見は誠に告白をしに、高瀬曰く『"公園的"な穴場スポット』へと向かい、自分の想いを全て伝えた。


そして―――今に至る。


「好きやったよ、俺も」

風見の一世一代の告白に誠がくれた返事は、予想外のそれ。
まるで、一生分の運を使い果たした気分がした。
照れくさそうな誠がものすごく愛しくて、もう幸せすぎて。
しかし、それと同時に風見は、ものすごくショックも受けた。

誠の我慢と葛藤、痛み、苦しみ。
その全てが自分を想うからこそで。それでも彼は自分に優しかったのに。自分はそれに気付かずに、そんな誠の優しさを、残酷だと感じて。
誠を一層追い詰めていたのは、他でもない自分だったのだ。
そんな自分を、誠は責めることはおろか、いつものように真っ先に謝ってくるでもなく、

「それでも俺は、涼太さんが好きやで」

大好きな、おおらかな笑顔で、

「涼太さんやから、俺は何でも好きや」

優しく抱きしめて、くれた言葉。

「何で……俺だから?」

誠の体温と匂いに、風見は今までの不安とか痛みとか緊張が一気に解けて、涙が出そうになってしがみつく。
そうすれば誠は、そんな風見の背中をポンポンと叩いて、

「だって涼太さんは、俺の好きな人やんか」

好きだから、何だって愛しいのだと、やっぱり笑ってくれた。

「あんたもそうやろ?」
「うん」

誠が愛しくて、愛しくて。
もう、自分には彼しかいない。彼さえ居れば、何も要らない。
風見は素直に、そう思った。

「ていうか、俺の方がぜったいそう思ってるし」

だから、誰にも邪魔なんてさせない。

「ん~~何でやろ、涼太さんの言い方がどうしても張り合ってるようにしか聞こえへんのは」

笑って抱きしめてくれるこの腕を、もう絶対に離さないと。

「誠」

だから離さないでくれと、風見が顔を上げる。
ふと沈黙ができて、視線が合った瞬間……何も言わなくても、自然に重なる唇。

「誠のこと、大好きだよ」

キスの後、背の高い誠に合わせて背伸びをした風見が、耳元でそっと囁く。そうすれば誠がすかさずギュッと強く抱きしめて頭を撫でてくれるから、それだけでまた胸が熱くなった。

「俺も大好きやで、涼太さん」

茶化すこともボケることもせずに誠実に、欲しい言葉を返してくれる誠を、この短時間でまた更に好きになっていくのがわかる。

「そぉ?俺なんて愛しちゃってるけどね」
「だから張り合わんでよ(笑)」

際限のない"好き"が、今まではただ苦しかったけれど。大逆転を迎えた今となっては心地よくて幸せでたまらなくて、また風見はぎゅうぎゅうと彼に抱き着いた。

「もう誰にも渡さない」
「大丈夫やで。俺の首、とっくに首輪ついてますから」
「じゃあ散歩行く?」
「アハハ。じゅうぶんして来たやんか」
「そうじゃなくて」
「ん?」
「あっち」

と、風見は指でリビングの出口を示した。
しかし誠は意味が分かっていないので、「へ?」と間抜けな声を出している。

「誠」

わかってくれと、誠のジャケットの裾を引っ張りながら風見は見上げる。
それでもしばらくポカンとしていた誠は、逆に気恥ずかしさで顔が赤くなっていく風見の変化を見たことでようやく気付いて。

「それ、散歩ちゃうやん」

アハハと、一度ちゃんとツッコミを入れてから、

「涼太さん、教えてくれる?」

スッと目を細めて微笑んだ。
誠の長い指が、風見の赤い頬に触れる。その手に、風見が頷きながら自分の手を重ねれば、そのままどちらからともなく唇が重なった。
教えてくれなんて言っている誠の方が男らしくて大人でカッコよくて、その理不尽さが風見には悔しい反面、正直ドキドキさせられっぱなしだから、

「ま、まあ、オトコ初めてってのが相手だと、俺の都合に合わせられるし。寧ろ好都合かもね」

照れ隠しにそうおどけてみせれば、誠はまた目を細めて笑った。

「そうやね」

風見に合わせてふざけることなくそれだけ答えてから、また優しく抱きしめてくれた誠が、

「あんた仕様の男にしてくれてええで」

甘く囁いたその言葉に、

"そういうの誠のキャラに似合わないわ~"

風見はそう悪態をついて笑い飛ばしてやりたかったのだが、実際には言葉なんてひとつも出なかった。
理由は簡単。
今の誠には、とても似合っていたからだ。
初めて知った誠のそんな一面に、またもや心を奪われたなんて……悔しすぎて、風見はそれも言えなかった。


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